初めてのローラースケート③:曲がる、エッジにのる
今回は、エッジについて。
エッジにのると、カーブで曲がったり、円を描いて滑ることができる。
エッジには
・インサイド
・アウトサイド
がある。インサイドは、足の内側に重心をかけながら円を描いていく動き。アウトサイドは、外側に重心をかける。どちらも緑の線が描かれている側に重心をかけて滑る。
特にアーティスティック・ローラースケートでは、常にアウトエッジ、またはインサイドエッジで滑っていくのが基本。エッジがフラットな状態で滑ることはない。
まずは両足でチャレンジ。
■はじめてのカーブ:両足でカーブを曲がってみる
<やり方>
1.両足を地面につけて滑りながら、両手をまっすぐ前に出す。
2.両手で自動車のステアリングを持つ真似をする。少しステアリングを左に回す真似をしながら、大きく左にカーブしてみる。
3.今度は、同じように自動車のステアリングを少し右に回す真似をしながら、大きく右にカーブ。
ステアリングを回すしぐさをしながら滑ると、自然と肩の位置がカーブしやすい状態になり、重心もアウト側に傾きやすくなるはずだ。曲がるイメージも持ちやすい。後ろにも倒れにくくなり安定する。
これは、この道何十年のおばあちゃんコーチが、まだ右も左も分からない私に一番最初に教えてくれた練習法。実は、前回の「壁でほうきになったつもりで重心移動」という練習方法も、彼女が教えてくれた。滑ることの基礎はみんな彼女に教わった。今はもう引退してしまって、しばらく会ってないけど、元気だといいな。
■エッジにのってみよう
↑ エッジコントロール(1)大須スケートリンク・スケートレッスン15 by Sportscenter Nagoya
名古屋の大須スケートリンクの動画。アイススケートだが、一番最初にエッジにのってみる方法についてはこれが一番分かりやすいと思う。この先生はホッケーの先生のようだ。
最初に出てくるスケートのエッジの説明の部分は、アウトサイドのウィールとインサイドのウィールに脳内変換しながら見てほしい。
これができるようになってきたら、片足でエッジにのってみる。ただし、以下の人は前回のページに戻って追加練習してみてほしい。
>>片足で滑れない人
前回のページに戻って、最後の「■重心移動しながらストローク」をもっと練習してみよう。最初はフラットなエッジでいいので、片足1本だけですーっと滑る練習も良い。
>>アウトエッジが怖い、アウトに乗れないという人
インサイドは倒れそうになっても反対側の足を地面につくことができるので怖くないが、アウトサイド側にはいざという時の支えがないため、最初はちょっと怖い。
うまくアウトに乗れない時は前回のページに戻って、もう一度「■片足ひょうたん」を練習してみよう。アウトに乗る感覚がつかめるはずだ。
↓ 前回のページはこちら
■片足でセミサークル
半円は、セミサークル、またはハーフサークルと呼ばれる。
<セミサークルでエッジの練習>
1.地面にまっすぐな線を描くか、リンクの床の線を利用する。
2.線をまっすぐ直径が通る円をイメージしながら、両手を横に開いて、左足のアウトエッジを使ってワンプッシュ(ワンストローク)で半円を描く。
3.線まで戻ってきたら、右アウトで反対側の半円を描く。
4.繰り返す。
LO=Left Outside、左アウト
RO=Right Outside、右アウト
次は、同じ半円を右インサイド(RI)、左インサイド(LI)で繰り返す。
うまくエッジにのって滑れないな、というときは、両足でエッジを意識して滑ってから片足に戻ると、感覚をつかみやすい。
<セミサークル:ステップアップ編>
慣れてきたらいくつかのポイントに注意する。
・フリーレッグを後ろにまっすぐ伸ばし、舵(かじ)のように使いながら滑る。
・正確に同じ大きさの円を描き、正確に線のところで足を入れ替える。
・線のところに戻ってきたら、きちんとANDポジション(両足を揃えて膝を曲げる)をとってから足を入れ替えてプッシュ。
■スラローム(スネーク、アーティスティックのスラローム)
セミサークルができるようになってきたら、スラロームにもチャレンジ。まずは両足で、次に片足でやってみよう。
<やり方>
1.コーンを地面に置くか、セミサークルと同じように線を利用する。
2.セミサークルよりももっと小さな円を描きながらアウト、イン、アウト、インを繰り返す。
3.エッジを変える時には毎回膝を曲げる。このぐっと膝を曲げる動きでパワーを得ながら前進していく。
これは、インラインのスラロームとはかなり違った動きになる。スラロームそのものが目的になっているインラインの競技とは違い、ここで説明するのはその他の動きに発展させていくための基礎技術を磨くことが目的のスラロームだからだ。
注意点:
・両足でやる場合は、足幅をひらかず両足を揃えて滑る。
・片足でやる場合はフリーレッグを振り回さない。軸足(スケーティングレッグ)のすぐ横で少し上げておくだけ。
・体はまっすぐにしたままで。上半身や腰をひねったり、体を揺らして勢いをつけようとしない。
第1段階:両足でスラローム
第2段階:右足でスラローム、左足でスラローム
第3段階:スキーのように幅を大きくとりながら、より早く、より深いエッジでダイナミックにスラローム
1ができたら2、2ができたら3にチャレンジ。
ーー両足スラロームのお手本ーー
↑ 64. Forward Power Slaloms (for Agility, Speed, Control, Power, and Flow) by
Oleg Altukhov
アメリカ代表経験もある、アイスダンサーのオレグの動画。アイスの動画だが、両足スラロームのお手本はこれが一番良いと思う。インラインのスラロームとは全く違い、体をまっすぐに保ったままで、というのがよく分かる。
ーー片足スラロームのお手本ーー
↑ How to do an Outside Edge on Ice! Figure Skating Tutorial! by Ice Coach Online
私の好きな元フランス代表のアイスダンス選手、ロイド先生による片足スラロームについて。上手にできるようになってきたら、手を後ろに組んだり上にあげてやってみると難しくなるよ、とのこと。
スラロームは、準備運動としてのウォームアップにも欠かせない動きだ。私の通っているクラブでは、どんな上級者でも必ずスラロームをウォームアップの最初の方に入れている。私も3段階のスラロームをすべて準備運動に取り入れている。
■その他のエッジにのって滑ることに関する動画
↑ Forward Roller Skating - Edges by Dirty School of Skate
ダーティ・デボラの動画。2つのコーンを使って円周や8の字で滑る方法がなかなか良い。アーティスティックのように姿勢を重視しないジャンルでも、手を横に開いておくと滑りやすくなるよ、とのこと。
↑ How To Roller Skate - Drills/EDGES - Tutorial 39
ニコール・フィオーレの動画。前半はフィギュア(図形競技)の円を使ってアウトサイド、インサイド、をやっているが、今回はフィギュアのフォームにこだわらずに円の内側に体を開いて滑ればOK。
次回はバックスケーティングについて。
ツイッターでもつぶやいています。