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ウィール(車輪)を交換するには

 クラブの練習場が閉鎖になってしまった4か月の間、家に引きこもっていると体がなまって仕方ないので、近所で滑るために使っていなかったローラースケートに屋外用のウィールを買ってきて交換してみた。それまではコーチやクラブの人たちに手伝ってもらっていたけれど、自分一人でやってみるのは初めて。

 交換するウィールの種類については、こちらの2つを参照。

 ベアリングも新調する場合は、こちらを参照


 自分一人でやってみるのが不安なので、念のためネットであれこれ検索してみたところ、この動画が結構よかった。

■HOW TO CHANGE YOUR WHEELS! | Planet Roller Skate(英語)

 ちょっといろいろあって最近活動を休止しているようだが、カリフォルニアの人気ローラースケーター、インディ・エマ・ジョーンズの動画。この人の動画はノリがよくて楽しく、ためになるものも多い。

 この動画で言われていることに足りないところをちょっと付け足して、工具なんて触ったことのない私のような女性でも分かるように、ウィールの交換方法を説明してみようと思う。


【ローラースケートのウィール(車輪)の交換方法】


■用意する物

 ・新しく取り付けるウィールx8(各スケートに4輪ずつ)

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 ・ナットを回すレンチ。(スケート靴に付属で付いてくる場合が多いが、なければY字またはT字型の専用ツールも購入できる。普通のソケットレンチでももちろんOK。ちなみに私の工具は、スケート靴についてきた、このページのトップ画像に映っている銀色のもの。筒になっている部分を使う)

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↑スケートツール


 ・ベアリングx16

 各ウィールに2つずつ。ただし新しいベアリングを購入せず、古いウィールから外して付け替える場合には専用のツールも必要。

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※古いウィールからベアリングを外す場合にだけ必要なツール

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↑ ベアリングツール

 このツール(ベアリングプーラー)は必ずサイズを確認してから購入すること。自分のベアリングは7mm?8mm?ツールは何ミリ用?(ちなみに上の写真のような携帯用は、スケボーでも需要のある8mmしか見かけない)

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↑ 本格的なRoll-line社のベアリングプレス。スケボー系のブランドではなく、ローラースケート系ブランドの製品を選ぶと7mmと8mmに両方対応している。メーカーによっては7mm用の部品は別売りなことも。8mmのローラースケートしか持っていないなら、スケボー系の製品でもOK。スケボー系の製品は大きなウィールまで対応でき、ローラースケート系はあまり大きなウィールには使えないタイプが多い。


■準備

 まず、ブランケットやタオルを床に敷く(これをやらないと、ナットが落ちた時にかなりの確率でどこかへ転がっていき、行方不明に)。

 そして確認。ネジの基礎知識、知ってる?

 ネジやナットは、右に時計回りに回すとしまり、左に反時計回りに回すと緩む。ちなみに英語圏では、これを「righty tighty lefty loosey」と言って覚えたりする。


■いざ、ウィール交換

1)ウィールを外す

 ブランケットやタオルを敷いた上でレンチを使ってナットを外し(※緩めるのは左回り)、すべてのウィールを外す。各部品はなくさないように一箇所に並べておくか、クッキー缶などにひとまず入れておく。

 ウィールとフレームの間に小さな金属の輪っか(ワッシャー、スペーサー)が入っている場合は、これも必ずなくさないように外しておく。これがあるのに気付かずに作業していて、ポロっと落としてなくしてしまったり、一つだけ外すのを忘れていてポロっと落ちて……なんてこともよくあるので注意。

2)ベアリングを用意

  a:交換前のベアリングを新しいウィールに付け替える場合

 専用のツールを使ってベアリングを外す(上の動画では裏技としてツールを使わない方法を説明しているが、プレートを痛める可能性があるので緊急時以外はお勧めしない)。ベアリングのクリーニング(←ウィールとベアリング掃除の詳細はこちらを参照)が必要な場合はこの段階でやっておく。

  b:新しいベアリングを使う場合

 箱から出す。

3)車軸を利用してベアリングをつける

 車輪がついていない、むき出しになった車軸にベアリングを2つ通す。2つとも、ベアリングの内側を上にしておく。

4)ウィールにベアリングを埋め込む

 3)のベアリングの上から、新しく取り付けるウィールを車軸に通す。上から両手でウィールに均等に力を加えて、下にあるベアリングをウィールの奥まで埋め込む。片側にベアリングがついたら、ウィールを裏返しにして反対側にも同じようにベアリングをつける。

5)回転にぶれがないか確認

 ウィールにベアリングがついたら、車軸から外して片手の親指と薬指でベアリング部分を挟むように持ち、もう一方の手でウィールを回してみる。回転に少しでもぶれがある場合は、もう一度車軸に通してベアリングを奥までよく押し込む。

6)8つのウィールに繰り返す

 3)~5)の作業を8つのウィールすべてに繰り返し、すべてのウィールにベアリングをつける。

7)ウィールを本体に装着

 ウィールを車軸につけていく。スペーサー(ワッシャー)がある場合は、スペーサー、ウィールの順番で車軸に通す。スペーサーは全くなしでも、1つだけウィールの内側に使用しても、ウィールの両側に使用してもどちらでもOK(あれば各パーツの保護や緩み防止になるかも?あっても別に大して変わらないかも?と意見が分かれるところなので、お好みで。靴のメーカーにもよる。購入時の状態でスペーサーがついていた場合は、やはり使った方が良いケースが多い)。スペーサーは、丸みのある方をウィールに向けてセットする(ウィールとフレームの間なら、丸みがある方を上に)。ウィール(とスペーサー)をつけたら、指で軽くナットを締めておく。

8)レンチで締める

 レンチでナットを締める。軽く力を入れてもナットがそれ以上回らない程度に締まったら、90度(1/4回転)くらい戻して緩めて、ウィールがよく回るのを確認する。早く回転しないようなら、さらに90度くらい緩める。

9)完成!

※ウィールの大きさ(高さ、直径)が変わった場合は、トウストップの高さも調整する。大きなウィールに変更すれば必然的に床までの距離が高くなるため、トウストップもちょうどいい低さまで下げなければならない。小さいサイズに変えた場合は、トウストップを上げる。トウストップが低すぎると、滑る時に不意に地面に当たって転ぶし、高すぎると止まりにくい。その人の好みによるが、トウストップを使って止まる角度にローラースケートを傾けた時、後ろのウィールが床からだいたい指3~4本の高さにくるといい。ちなみに私は、自分の指の太さで3本半(4本は入らないけど3本より高め)がちょうどいい。

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 人生で初めて、レンチという言葉を使ったような気がしますが。しかもレンチって呼ぶのを知らずに、ググってから書きましたが。そんな私でもウィール交換ができるので、皆さまも是非チャレンジしてみてくださいませ。


追記:いらすとやさんから素材をお借りして、トウストップの高さのめやす画像に加工して追加しました。

追記その2:スペーサー(ワッシャー)について追記しました。ちなみに、私はKomplexのアーティスティック用フレーム(アルミ)にはスペーサーを使っていませんが、以前屋内でアーティスティック用に使っていて、現在は屋外用にしている台湾のゴールデンホースという靴のプラスチックのフレームには、各ウィールの内側に1つずつ使っています。コーチが「この靴はスペーサー入れた方がいいよ」と教えてくれたので。

追記その3:ベアリングプレスの情報、ベアリングについての参照記事を追加しました。

追記その4:MAKIKO先生がとっても分かりやすい日本語の動画をアップ~。



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