見出し画像

企業価値を最大化する『物語=ナラティブ』とは何か?(読書メモ)

ナラティブとは?

ナラティブとは、「物語的な共創構造」である。
何らかのストーリー性をはらんだ構造の中で、企業活動(広告やマーケティングはもちろん、商品開発や人材採用に至るまで)が行われる。物語的な構造には、消費者やユーザーはもちろん、従業員や取引先や株主などのあらゆるステークホルダー(利害関係者)が巻き込まれる。物語の「聴衆」としてではない。その「当事者」として、だ。

ナラティブの特徴のひとつは、「終わりのない物語」だということ。
起承転結かあって最後に「THE END」を迎えるストーリーとは違って、物語的な構造であるナラティブに終わりはない。常に現在進行形なのだ。

ナラティブとストーリーの決定的な違い

1.「演者」の違い
ストーリーにおける主役は、あくまで企業やブランドである。それに対し、ナラティブではあなた(生活者)が主人公だ。

.「時間」の違い
ストーリーには必ず、「始まり」があり、「終わり」がある。それに対し、ナラティブには終わりはない。常に現在進行形なのがナラティブだ。

. 「舞台」の違い
ストーリーの舞台は、その企業が属する業界であったり、競合環境だったりする。それに対し、ナラティブの舞台は「社会全体」だ。

ナラティブ実践の5つのステップ

STEP 1
パーパスの設定:ナラティブの「起点」を定める

STEP 2
パーセプションの形成:ナラティブの「目的」を明確にする

STEP 3
ナラティブスクリプトの作成:ナラティブを「描く」

STEP 4
マルチエンゲージの展開:ナラティブを「共創」する

STEP 5
効果の測定:ナラティブを「はかる」

ナラティブは企業価値に直結する

ナラティブは、企業価値を最大化し企業を成長させる。企業成長とナラティブの関係を整理してみよう。

まずは「価値の共有」。ナラティブがあることで、その企業が本来持っているDNAやパーパスがより可視化される。その価値が世の中に明確に提示され、ステークホルダーの間で共有されている企業は強い。

2つめのポイントは、「判断」だ。企業の成長には、スピーディーかつ正しい判断がかせない。やるべきことは何で、やる必要がないことは何なのか。ナラティブがあれば、その判断は容易になる。物語的な構造は、将来起こること(起こすべきこと)も含めて、世の中における企業やブランドの立ち位置を明確にしてくれる。

そして最後に、「人材」。結局のところ、企業は人の集まりであり、人が企業を成長させる。ナラティブによる共体験は従業員の結束を高め、「自分はなぜこの企業に属すのか?」という理由を強固にさせる。優秀な人材も、「自分もそのナラティブに参加したい」という理由で集まってくる。

いいなと思ったら応援しよう!