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【本】睡眠は【不足】ではなく【負債】と捉えて生きていく「スタンフォード式最高の睡眠 西野精治(著)」

多くのビジネス書には「食事」「運動」「睡眠」の大切さが説かれているが、今回はその中でも「睡眠」。快適な睡眠とはどういうメカニズムで行われるのかとうことが一般の人にも判りやすく書かれている本書「スタンフォード式最高の睡眠」。

一般的に「最近寝てなくて睡眠不足だ」などという表現があるがこの本ではその考え方は変えていかなければならないと提唱している。「食事」と同じで「睡眠」も日々の積み重ねで体に効果があらわれる。睡眠が足りないことは「負債」となって雪だるま式に増えていくとい考え方だ。毎日油ものと炭水化物、塩分過多なものを食べ続け、2-3日精進料理を食べても体は健康にはならないのと一緒だ。

簡単に睡眠の種類を別けると「ノンレム睡眠」「レム睡眠」の二つに分かれており、それが交互に繰り返されて朝を迎える。一番大事なのは寝始めの90分!最初に訪れる「ノンレム睡眠」を制するものが睡眠を制すということだ。

ノンレム睡眠・・・深い眠り、脳が眠る
レム睡眠・・・浅い眠り、体が眠る

子供の成長に欠かせないグロースホルモン(成長ホルモン)も最初の90分に一番分泌される(大人の場合は細胞の増殖や代謝の促進に役立つので美容にいいといわれている。)。最初の90分を深く眠ればグロースホルモンの80%は確保することができるらしい。それほどまでに最初のノンレム睡眠は身体にとって重要ということだ。

「体温」「脳」に眠りスイッチがある

眠りをコントロールするにあたって意識するのは「体温」「脳の状態」の2つだ。難しく考えず、お風呂と意識の問題くらいに思っておけば問題ないくらいにラフに生きていきたい。

■体温
体温は大きく別けて2種類あり、筋肉と内臓の運動により熱が生まれる熱生産(深部体温)と手足の毛細血管から熱を逃がす熱開放(皮膚温度)を意識するとわかり易い。この深部体温と皮膚体温の体温差は約2度ある(平熱が36度の人は34度が深部体温)。「子供が眠くなると暖かくなる」現象と同じく大人も入眠時は皮膚温度が高くなり熱を開放して深部体温を下げている。このとき温度差は2度以下となる。つまり深部体温と皮膚体温の差が近くなることで脳が眠たくなる。お風呂に入り皮膚温度を高めて入眠を促すことは理にかなっているということだ。
朝起きるときは逆の事をすることで「覚醒」を促すことができる。簡単なやり方として、朝一は裸足で歩いて冷たさを感じる、顔を洗うときは水で洗うなど、深部温度と皮膚温度の差を広げることで「集中」「覚醒」という状態を保つことができる。

■脳の状態
基本的には体温管理で脳の状態も変化する。しかし、脳を休ませモノトナス(単純な状態)にすることが大事である。サスペンス映画のような次が気になるもの、興味があり楽しいと感じると脳は活発になり眠れなくなる。単純作業や理解ができないもの、脳が活動しなくなるから「退屈」は睡眠にとってはよい友として付き合っていく。
具体的に「明日早く起きなければならない」ときは、「早く寝て早く起きなければ」という緊張状態となり、普段ルーティンで行っている一番大事な入眠の建て直しとなってしまう。そういう時は「いつもどおり寝て睡眠時間を削る」が一番効果的に寝始めの90分をとることができる。脳のスイッチをいつもより早く切るのはハードルが高いためだ。

標題にあるとおり、不足ではなく負債と捉えることの意識が大事です。睡眠は食事と同じで「日々の積み重ね」が大事なので、方法論よりは睡眠が原理的に何がおこっているかが大事だなと感じた。この本でも人生の1/3をしめる睡眠時間は、起きている2/3の時間を決めると書いている。少しだけ意識して日々の糧にしたい。


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