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10・止まった音楽 何週間も雨は降らず、毎日残暑の日照りが続いていた。駅へ向かうバス…
9・理由 猛暑日が続く夏の間、凛と凪々は、友達の家へ遊びに行ったり連れてきたりして好き…
8・暗号
7・新居への誘い 時々夢を見る。まだ母が生きていた頃の夢を。がらがらと引戸の玄関を開け…
6・双子の怪我
5・何者
4・本を借りる 七月に入り梅雨明けが近づいてくると、晴れた日の陽射しと蒸し暑さは容赦なかった。少し動くだけで簡単に汗ばんでしまうこんな季節にも、夏雲の向こうには見えない音符が音を発して、青い空はいつものように新しい音色で歌を作っていた。 「行ってきまーす!!」 「待ってー、お兄ちゃん」 「二人ともっ、転んでケガすんなよっ」 凛と凪々が元気に家を飛び出していく。 いつものように、危なっかしいほど元気な彼らを玄関先で見送る。 彼らが小学高学年になってからは、
3・音が聴こえる 子供の頃、夕焼け空を見上げた。 青と桃色の織り混ざった空に一番星…
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第一章:高 校 時 代 プロローグ 〜想い出〜 「あのね、音が降ってくるんだ、空から」 …