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私は私にしか成れない

読んでいるのに返せない未読のLINE、先延ばしにしてしまう悪い癖、ワンコールで出ることに抵抗してしまう着信、寝ても寝ても怠い身体。たったこれだけ、ということができない自分に嫌気がさす。

就活の自己分析サイト。診断結果はいつも「芸術家タイプ」。だからどうしろというのだ。芸術家タイプは、芸術家ではない。芸術の才など持ち合わせていない。芸術家タイプなだけじゃご飯は食べられない。私に何ができるというんだろう。

毎日欠かすことなく鏡を見て思ってしまう。
私って一体なんなんだろうか、と。
生きていくってなんだ?
なぜ人は生きるのか。どうして生きることをやめられないのか。
生きたくはないけど、死ぬことはできないから?
明日は今日より少し良くなれるかもって期待してしまうからだろうか。

どうして夜はあっという間に明けてしまうのか。
いつか、朝を好きだと思える日がやってくるのか。

SNSへの依存が止まらない。SNSが衣食住の中に割り込んでこない時代を生きていたかった、そんなことを思ってしまう。
見ないと落ち着かないのに、見ると落ち込む。
たった一度、アプリを削除するだけで楽になれるのに、どうにもこうにも手放すことができない。

Instagramのストーリーには綺麗な部分しか写っていない。そんなこと十二分にわかっているけど、それでも人を羨んでしまうし、コンプレックスを刺激してしまう。他人の承認欲求に触れると、爆発しそうになる。ひたすらに、自らが自らの傷口に塩を塗りこんでいる。

私は誰かに必要としてもらえるのか。私にとって必要な人は沢山いるけれど、その人たちにとって私も同じように思ってもらえているのかな。必要とされるにも、努力をしなくちゃいけない気がする。
ありのままを愛してもらえる人になりたかった。
でも、ありのままを人に見せるのは怖くて仕方がない。
人に愛されることも、自分で自分を愛してあげることも、すごく難しい。

私が私である必要はどこにあるんだろうか。
私が通行人Aであろうと、Bであろうと、誰も困らないのに。

それでも私になれるのは私だけで、私がなれるのも私だけ。
他の誰かになることはできないし、誰かが私になることもできない。

良くも悪くも、私は私にしか成れないのだ。

月が沈んだら太陽が登って、朝が来て、夜が来て、また朝がやってくる。
死にたいと思ってもどうせ死なない。死ねない。

だって、少しも未来に期待していないなんていうのは、嘘だから。


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杉岡 みなみ
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