取材で「おもしろい話」を引き出す秘訣
一概には言えませんが、編集者にはコミニケーションが上手な方が多いような気がします。
竹村さんのクライアントさんへの取材を拝見していても「話の引き出し方が上手だなぁ」と感じることが多々あります。
その秘訣は「行間」と「文脈」にあるのではないか、と思ったのでお話しします。
行間をよむ=言葉にしない「本当の気持ち」をくみとる
行間とは、文と文のあいだのこと。「行間をよむ」というと、文章の表面に表されていない筆者の真意をくみとることです。小説などを読むときによく使われる言葉かもしれません。
この「文章の表面に表されていない真意」って、普段の会話でもありますよね。
「またいつか会いましょう」の真意は「もう会わないだろうな」だったり。
「持ち帰ってご連絡いたします」の真意は「たぶんお断りします」だったり。
「いいと思うんですけどね〜」の真意は「いまいちだなあ」だったり。
この「言葉にはしていないんだけど、実は思っていること」を察知するのが、上手な取材の秘訣なのではないでしょうか。
取材する相手の本当の気持ちを汲みとって、それを言いやすいようにアシストする。すると相手は「そうそう、そういうことなんですよ!」「この人、わかってくれる人だな」と感じて、より深い話をしてくれます。
「行間をよむ力」は、取材対象のおもしろい話を引き出すために必要不可欠なのです。
行間をよむには「文脈」が必要
そうはいっても、細かな表情や仕草だけで相手の心を読みとるなんて、なかなかできることではありません。メンタリストDaiGoさんじゃあるまいし。
普通の人が「行間をよむ」ためには、事前に相手の「文脈」を知っている必要があります。この「文脈」とは、相手のバックグラウンドのことです。
どんなところで生まれて、どんな環境で育ったのか。
どのくらいの年齢で、若い頃なにが流行っていたか。
いまはどんなことをしていて、なにに興味があるのか。今後の目標はなにか。
そういった前提知識があるから、ちょっとした言葉や仕草から「この人ならもしかして、こういうことを思っているんじゃないか」と予想することができます。
同世代の人と打ち解けやすいのは、同じ頃に同じものを見ていて、同じ「文脈」をもともと共有しているからではないでしょうか。
竹村さんも取材の際、相手の出身地や、幼少期の話をよく聞いています。そうすることで、相手の「文脈」を理解することができる。だから、その後の取材で「行間」をよんで発言することができ、おもしろい話を引き出せるのだと思います。
まずは相手のことを深く理解する。そのうえで、相手の気持ちをくみとっていく。当たり前のことですが、改めて意識していきたいです。
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