『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』

推計では日本の人口が「2065年には約8808万人になる」というグラフがある。2065年なんて遠い遠い先の話だ…と思わないでもない。しかし、1970年台に生まれた私にとって遠い未来だった2020年に今自分が生きていることを考えると、45年後というのはそう非現実的な数字でもない。少なくとも、私自身はともかく、私の子供はほぼ確実にその時代を生きるだろう。一極集中の真っ只中にある首都圏に住んでいると、人口減少を肌で感じる機会は皆無と言ってよい。しかし、日本の人口は、出生数の低下とともに減り続けていくのだ。
この本では、「未来を読むことは不可能に近いが、人口動態からある程度予測することはできる」という考え方がベースになっている。少子化を止められなかった日本で何が起きるのか、という未来予想図がここには示されている。

18歳人口が激減し、国立大学でさえ倒産の危機。

単純に高齢者が増えるだけでなく、後期高齢者が多くなることにより医療費・社会保障費の増大。

老朽化した社会インフラの維持が困難に。

労働力の不足によるGDPの低下、行政サービスの低下、国際競争力の低下。

などなど、少子高齢化とは今私たちが当たり前に享受しているものがどんどん当たり前ではなくなっていくということなのだ、ということがよくわかる。

ちなみにこの本の続編では、もう少し身近な例が挙げられている。
例えば、高齢者の増加、高齢になっても働かなければ行けない人の増加によって「電車遅延が続発する」といった、笑えないジョークのようなものだ。

ここからきわめて個人的な話をする。今、私は教育産業の端っこで働いている。まず直撃してくるのは18歳人口の減少だろう。現状でさえ少ないパイの奪い合いなのに、それが加速したら私の職場は生き残れないような気がする。今のうちに人手不足の業界に転職でもしておこうか、と思わないでもない。しかし体力的に介護業界は難しい。また、これから子供の教育費が増大していくことを考えると、未経験の業界に転職して収入が激減してしまうリスクを取れるのかという懸念もある。
そしてもうひとつ、介護の問題がある。両親ともに健在なのは嬉しいことではあるのだが。また、介護の相手は親だけではない。身長177cm体重70kg台後半の夫の介護を、身長157cmの私ができるだろうか。体格差がありすぎて、物理的に介助が難しい状況が出てくると思う。その頃にはパワードスーツも一般化しているのかもしれないが、それも含めて費用面ももちろん気にかかる。
そしてそもそも、それらは全て私自身が健康に働き続けるという前提にたってのことなので、私自身が働けなくなったり、思うように動けなくなったら何もかも狂うのだ。

結局自分が健康でいないと周りを支えられない、という帰着になってしまった。これまで以上に、心身の健康を保つことを最優先にしていこうと思う。

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