【短編】すずらんと木馬と私【うたすと2参加】
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すずらん祭りの夜。
町にはすずらんのブーケを持った女の子があふれている。すずらんの香りがあふれ、喜びのさざめきが満ちている。
おめかしして、ふわっとした白いワンピースを着た私はそんな人混みからそっと離れた。
あの人が私にすずらんをくれるって言ったのは約束だと思っていた。違った。約束じゃなかったから忘れられた。
他の娘にあげたのかもしれない。
ブーケ・デュ・ミュゲ
すずらんのブーケを持たない私は一人帰路につく。
自分が悪いと思うと我慢は楽だ。
約束と勘