snail mail かたつむりの手紙
「郵便です」
空耳のような小さな小さな声がしたので窓のほうをみると
ほんの少し開いた隙間からかたつむりが覗いていた。
触覚に小さな小さな白い四角い封筒を付けて差し込んでいる。
「あらありがとう」
私は急いでかたつむりの触覚から手紙をはがしとった。
かたつむりは仕事を終え、のそりと下に見えなくなった。
「いくら”snail mail”って言うからってねえ」
私はひとりごとを言いながら、机の引き出しからピンセットとルーペを出す。
そしてピンセットで用心して小さな封筒を開けた。
そ