場面緘黙だったあの頃
幼い頃母が離婚した。何年かたった頃、母は再婚し、私には義父ができた。
小学生の頃、義父の仕事の都合で県外へ転校することになった。
それまでの私はひょうきんで、元気いっぱいの女のコだった。
転校した初日、私は図工で使うハサミを忘れ、でも隣の子に話しかける勇気が出なかった。
それがキッカケなのかは分からない。それから私は学校で話せなくなった。
声が出せない。言葉が出ない。最初に喋らなかったのに、今さら喋ったら変に思われるし恥ずかしい。そんな気持ちが心を支配していた。
家族には言え