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ミッフィーはおともだち(耳男とは何者なのか?)③

なぜ、うさぎなのか? それは一つには人生において、自分が予習型人間である時にうまくいくことが多いということに起因している。

例えば、僕は小中学校の時、出された宿題はとにかく早く終わらせたいという気持ちがあった。それで一番極端な時は、夏休みに入る前にもらった宿題をすべて終わらせて、さらに夏休み最終日までの日記まで全部書き終わっていたということがあった。

自分の人生の中でこのように早め早めにいろいろなことを終わらせることが出来ている時は、調子のよい時だと言える。

その逆に、後手後手になっていろいろなことを溜めこんでいる時は、調子がよくない時だった。

だからちょうど「うさぎとかめ」の競争で、早めにゴールまで行って、その手前で昼寝をしているのがうさぎなので、それに近いと言える。

しかし、もっと言うならば、昼寝をせずにゴールまでしているのが自分である。また、そういう自分を理想としている。

仕事においても早め早めにいろいろなことをやっておけば、後で急な仕事が入っても対応できるからだ。

しかし、そうは言っても自分一人で進められない仕事も多く、また、多くの人は締め切り間際にならないとなかなか仕事をしてくれない場合も多いので、そうなると自分はただひたすら待つしかない。

この時、自分はイライラしてしまうことが多かったが、最近ではもうあきらめるようにしている。

これがうさぎ男の第一の特性、予習型である。

次にうさぎ男はかわいらしさを重視する。自分はカッコいいタイプではない。今では歳をとりすぎて、その影も薄れてきたが、十年ぐらい前はまだ「かわいい」と言われていた。

かと言って自分は女性になりたいわけでもないし、男性が好きだということも決してない。

昔から女の子の友達が多かった。それは彼女でもない、ただの友達。

かと言って、男性と遊ばないというわけでもない。

もしかしたら、過去世において、女性ばかりの世界で生きてきたのかもしれないが、それは推測に過ぎない。

自分は過去世、どこでどのような人間として一生を送ってきたのだろう。

興味関心のある分野、そして、破天荒な人生、多くの人を傷つけてしまった人生というようなことで考えれば、ジャン・ジャック・ルソーのような人生であったかとも考えられるが、あそこまで波乱万丈な人生は今世では勘弁してほしいと思うし、人間関係も穏やかでありたい。

ただ、このままマイナスの多いままで死ねるか、という気持ちもあるので、その点は、ルソーの著作への奮起に似ているとは言えるだろう。

そして、もう一つは手塚治虫先生の初期のマンガに出てくる、耳男の自己犠牲の精神である。

地球の安全を守るために、自分の命も喜んで差し出す。自分もそのようでありたいと思う。

過去世に思い当たるふしがないのは、若くして亡くなったからかもしれない。

自分も第二次世界大戦の時代に日本に生まれていて、若い年齢であったならば、そして特に独り身であったならば、特攻隊に志願していたかもしれない。

これはその時代でなければ何とも言えないことだし、後からは何とでも言えると思われるかもしれない。

けれども、それぐらい自分はこの日本の将来と世界の将来を憂えていることには違いない。

また、若い頃、自分は自分の大切なものを守るため、良い方向へと導くため、あえて自分を犠牲にして、身を引いたということがあった。

そのため、自分はその後安定した職に戻るまでに結構な年数を費やさなければならなかったわけだが、それについては後悔はない。

手塚治虫先生の『陽だまりの樹』にもあるが、明治維新は、無名の純粋な志を持った若者の命が散っていった、その上に成り立っている。

勿論、その他の歴史的な出来事でもそうであろう。

歴史上、名が残っている人はそれは確かに偉い人であろう。しかし、うまく立ち回った人だと言えるかもしれない。

不器用だが、純粋に、己の信念を貫き、神仏を尊び、純粋な心で、家族のため、国のため、世界のために散っていった命は決して無駄にはならないはずである。それは全知全能の神仏はすべてお見通しであるからだ。

目先の欲に流され、自分に甘いが、いざとなれば、世のため人のため、神仏のために命をいつでも捨てられる覚悟が、手塚先生の描く「耳男」にはあった。自分もそのようでありたいと思った。

こうして僕は「耳男」を名乗っている。

それが今後変わらないとも限らない。

そして、塾に勤めていた時、生徒に名前を尋ねられると、僕は「耳男」と答えるようになっていた。

つづく


読んでいただきまして、心から感謝いたします。また、次回お会いできたらうれしいです。ではまた。


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