「取るに足らないようなこと」の積み重ねの恐ろしさ
美容院のことを検索していたらおもしろいページに流れ着いた。
行きつけの美容院に行かなくなった理由を、美容師さんが質問しているトピックで、その回答が大変に興味深いのでぜひ見てみてほしい。
その回答の中でも私が特に刺さった言葉がこれ↓
「急に行かなくなるまでの間に、小さなことが積み重なっているんですよ」
「大きな不満があったわけでなく、本当になんとなく、あれ?(略)という小さなモヤモヤの積み重ねです」
何か一つ、決定打となるような大きな理由があったのではなく、いくつもの小さなことの積み重ね。
何という、恐ろしいことでしょう(笑)
引っ越し、転勤、経済的事情という、やむにやまれぬ理由はもちろんある。
しかし他の回答を見ても、あとはみな似たような「小さな積み重ね」がほとんど。
特に多いなと思ったのが
「長く通って慣れたからか、雑に扱われているような気がした」
これが本当に怖い。
・口のきき方がぞんざい。タメ語。失礼なことを言う。
・高い物を売りつけようとする。
・何となく手を抜かれてる気がする。
気心が知れてくれば、話し方やその内容も友達感覚になりがちだろうが、親しき中にも礼儀あり。
あくまでも関係は「美容師」と「お客」なのだ。
物販もそう。
この人なら買ってくれるかも…という思いがしつこさになってしまうのだろう。
いつもの人がいつもの髪形を注文する。
やる方も慣れてる。
慣れ。
少し変えたいんだけど…という言葉を聞き流す慣れ。
他のお客が来て途中だけど待ってもらう、が度重なる慣れ。
お客の方だっていちいち説明が面倒くさくて、いきつけの美容院がほしいと思っているのに、とある一線を越えると気持ちが離れてしまう。
美容師にとっては、その一線とはかなりわかりずらく、しかもお客によって微妙に違う。
あるお客ではokだったものが、あるお客ではNGになる。
美容師側からしてみたら、「言ってくれたらいいのに…」と思うだろう。
でも、みなさんおわかりの通り「小さなことの積み重ね」の「小さなこと」ほど、お客にとっては言いづらいことばかりなのだ。
中にはいるだろう。
「ちょっと馴れ馴れしくない?」とか
「買わないから勧めないで」とか
「早くしてくれる?」とか
「なんか手抜きじゃない?」とか…
そういうことを嫌味な感じでなく言える人も。
でも大抵の人には言えないだろう。
そんなこと言おうものなら、クレーマーになってしまわないか?と思うから。
取るに足らないような小さなことに文句を言って、クレーマーと思われたくない…
そう思うから、お客は黙って去ってしまうのだ。
慣れとは、なんと恐ろしいものだろう。
つまり「取るに足らないような小さなこと」とは「取るに足らないような小さなことじゃない」のだ。
ひとつひとつは小さなこと。
でもそれは、
靴に入った砂粒のように、気になってしまうのだ。
そして、無視はできない。
砂粒が入ったまま、歩き続けることはできないのだ。
「取るに足らないような小さなこと」を「小さなことではない」と思えない限り、解決は難しい。
これって、美容院の話に限らないよね。
たぶん、人間関係ならどこでもそう。
学校でも、会社でも、家庭でも。
「そんなこと、どうでもいいからさぁ」
などと言って、相手を突き放していないだろうか?
自分にとっては「どうでもいいこと」であっても、相手にとっては「どうでもいいことじゃない」と、立ち止まって考える必要があるのではなかろうか。
毎日の暮らしを気持ちよく過ごしたい。
それを叶えるためには、小さなことを手抜きせず、丁寧にひとつひとつ、積み重ねていくしかないのだ…!
でもこれが、どんなに難しいかは、大体の人にはわかるはず。
…お互い、がんばろうねぇ…;^^