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トクサで作る爪やすり
砥草(トクサ)を使って爪やすりをつくりました。
見た目は竹みたいだけど、触ってみるとなんだかザラザラしているトクサ。
その特長を生かして、つげ櫛のやすりがけなどに使われています。
100%植物でできたやすりなので、自然にも人にもやさしいです。
今回は爪やすりと書きましたが、トクサのやすりは木工はもちろん、金継ぎのやすりがけにも使えます。
今回はつげ櫛職人さんに教えてもらった方法を参考につくってみました。
○材料
干したトクサ…好きなだけ
木片または割り箸…好きなだけ
ご飯粒…好きなだけ(糊をつくる用)
準備
トクサを節に合わせてカットし、カラカラになるまで乾燥させます。
1.トクサを煮る
乾燥したトクサを煮ていきます。
カラカラだった茎が水分を吸って少しぶよぶよになってきます。
輪切りの断面をみるとこんな感じ。
前の晩に水に浸しておいたものは1時間ちょっとで柔らかくなりました。乾燥した状態から煮ると2時間くらいかかりました。
左が煮た後、右が煮る前
2.中身をそぎ落とす
繊維に沿ってタテに切れ目を入れます。
広げて、内側の皮をそぎ落とします。
一回できれいに取れない時は、何回か繰り返します。
私は爪でやっちゃいましたが、何本もやると痛くなります。スプーンやヘラなどを使ったほうがいいなと思いました。
温かいほうが削ぎやすい。ヤケドに気をつけながら行ってください。一度できれいに取れないときは繰り返し取る
一番左のようにペラペラの紙のようになったらOK
3.糊づくり
作ったやすりを木片に貼るため糊をつくります。
ご飯粒をすり鉢で粒がなくなるまですっていきます。
※本来の糊はヘラでつぶして作るそうですが、家になかったので簡易的な糊です。
わざわざご飯粒の糊を使う理由は、トクサのやすりが使えなくなったら木片を水につけておけばやすりが簡単に剥がれ、また新しいトクサを貼ることができるからだそうです。
ご飯糊とトクサ
使い古したトクサは土に返すこともできるし、木片はそのまま使い続けることができる。
普段の生活だと接着剤を使い、用が済んだら捨てるのが当たり前になっているので、こういう考え方の大切さを学びました。
4.仕上げ
トクサの内側に糊をつけ木片に貼り付けます。やすりは外面しかならないので、間違えないようにしてください。
今回は割り箸を使いました。
トクサがビショビョに濡れたままだとうまく貼れないので、ティシュなどで少し水分を取ります。
空気が入らないようにしっかり貼り付けたら完成です!
貼り付けに失敗しても水に浸けて剥がして貼り直せます!
トクサやすりの保存方法
中身をそぎ落としたトクサは乾いた状態で保存が可能です。
やすりとして使いたいときはまた水で戻せば木片に貼り付けることができます。
使ってみるときちんと爪を整えることができました。試しに滑石をやすりがけしたらこちらもしっかりできる!植物からやすりができるなんて面白いな〜と思いながらついつい色んなものを磨いています。笑
お子さんと一緒にやるときは、沸騰したお湯の取り扱いに十分お気をつけください。煮なくても水に数日つけておいてもできるかもしれません。
大人でも夢中になって作れるので、ぜひお試し下さい。
他にもお家で楽しめるいろいろ集めました。
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