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うるしのお箸

食欲の秋。
越前漆器のお箸を使い始めました。

私と魚とみそ汁とごはんの間を行ったり、来たり。その動きに改めて目を向けると、お箸は命を食べる道具なのだと気付かされます。

私たちは毎日、何かの命を受け継ぐ。
こんなにもすごいことを自然と繰り返せるのは、私たちにそっと寄り添うお箸のおかげなんじゃないかと思います。


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漆は肌なじみが良いのか、お箸を持つときの感触がとても柔らかいです。優しい使い心地に触れていると、ごはんもゆっくり時間をとって食べるようになりました。


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この越前漆器のお箸は漆を「塗っては拭く」を繰り返す、拭き漆(ふきうるし)と呼ばれる技法でつくられています。漆を何度も擦り込むことで木目が模様のように浮かび上がるのが特徴です。


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越前漆器は眼鏡で有名な福井県鯖江市の工芸品です。

越前漆器は古墳時代後期から始まり、江戸時代になると越前の漆を集める職人さんが日本各地で活躍しました。日光東照宮を建築する際に必要な漆を全国から集めたのが越前の職人さんです。

日光東照宮と聞いて、私は落語に出てくる彫刻家の左甚五郎先生(眠り猫を彫った人)とこのお箸が遠くでつながっているかもしれないと思うとワクワクします。脈々と受け継がれる工芸品ならではの楽しみです。


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木の個性によって異なる模様が出るのが好きです。アクセントに金が巻いてあるところも気に入っています。


越前漆器  http://www.echizen.or.jp
土直漆器  http://www.tsuchinao.com


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