旅する漆〜天然塗料「漆」の精製現場②〜
天然の塗料「漆」の精製方法の続きです。水分を蒸発させ、攪拌さたあと、、
②漆をきれいにする
余分な水分を取り除いたあとは、漆に混ざったホコリやゴミを取り除きます。
使用するのはなんと、、、綿でした!「綿の細かい繊維が漆に入ったゴミを絡め取ってくれます」(竹内さん)
機械に綿と漆を入れて綿に漆をなじませます
使い捨てマスクのような特殊な化学繊維が溢れるくらいある中で、綿を使うことに驚きました。
自然を上手に利用してつくられる漆。まるで漆の血をうるしが生きていた自然以外のもので汚すことを許さないくらいに。
とっても古い機械ですがいまでも現役!
③ろ過する
最後に綿を絞ってろ過すると完成です。
ゴミを取り除いたきれいな漆が出てきます
貴重な現場を見せていただき、樹液からいくつもの工程を経て少しずつ磨かれ漆になることがよくわかりました。
竹内さんの精製した漆は、塗り職人さんのもとへ届きます。いろんな人の手の中を旅する漆。私の漆器はどんな旅をしてきたのだろうと、ふと思い出して少し嬉しくなりました。
後日談。。。
あるとき雑司が谷の手作り市に立ち寄ったときのことです。
いろんなお店が並ぶ中、ふと目に付いいたのは手づくりの漆器を販売するお店。
きれいな器を見ていると、竹内さんの写真が!
お話を聞くと店主の中里洋平さんは竹内さんの漆を使って漆器づくりをされていました。掻き子として高い技術を持った竹内さんが採った漆は仕上がりが本当に美しいと話していました。
竹内さんって、、あの竹内さんですか?と思わず訪ねてしまいました
まさかこんなところで竹内さんの漆に会えるとはびっくりでした。中里さんの手彫りの温かみと竹内さんの漆の美しさが合わさったぐい呑みを購入。
めぐり巡って、私のもとに来たまさに旅する漆。これからどんな時間を共にするのかとても楽しみです。
温かみのあるすてきな漆器をつくる中里さん
購入したぐい呑み。お酒も良いけど甘酒にもぴったり
木曽漆器についてさらに詳しく。木曽暮らしの工芸館 http://www.kiso.or.jp/info/post-4.html
東京で木曽漆器が購入できる場所。青山スクエア http://kougeihin.jp/item/0511/