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産地を訪ねて

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ものづくりの産地で見て来たことをまとめました。
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木曽漆器とつくり手〜蒔絵体験2〜

先日、蒔絵体験をしました。 蒔絵(まきえ)は漆器の上に漆で絵を描きその上に金粉などをまいて絵を描く技法です。始まりは平安時代と言われています。 洗ったりしたら金粉がすぐに取れたりしないの?と心配になる方もいるかもしれませんが、 漆は金継など接着剤としても非常に優れた性質を持っているので、ちょっとやそっとでは取れません! プリンターも化学物質もなかった時代に人と自然の知恵から生まれたすばらしい技術です。 初心者なのでカーボン紙を使って絵を写した後、漆に触れてかぶれないよう注

木曽漆器とつくり手〜蒔絵体験1〜

蒔絵(まきえ)は漆器の上に漆で絵を描きその上に金粉などをまいて絵を描く技法です。始まりは平安時代と言われています。 洗ったりしたら金粉がすぐに取れたりしないの?と心配になる方もいるかもしれませんが、漆は金継など接着剤としても非常に優れた性質を持っているので、ちょっとやそっとでは取れません!プリンターも化学物質もなかった時代に人と自然の知恵から生まれたすばらしい技術です。 名古屋城の本丸御殿修復に関わった小川さんに蒔絵に使う漆を見せていただきました。 下絵は漆黒の上に描い

台湾 藺草と生きる人々を訪ねて (前編)

藺草編み  台湾伝統工芸のはなし 【はじめに】 出張で年に何度か訪れるようになった台湾。訪れるたびに、人々の心のやわらかさに驚く。 この地で生まれたものはみんな親戚なんじゃないかと思うくらい、人と人との距離が近い。 それは、「他人」ではなく「そばにいる誰か」とでもいうような、ちょっと不思議なほっとする感覚。 少しずつ彼らが住む、台湾のことを知りたくなっていった。そんな中、ネットで見かけた藺草(いぐさ)編み。 わら細工とまた違い、ひと編み、ひと編みがとて

台湾 藺草と生きる人々を訪ねて(後編)

【藺草編みの伝統をいまに伝える「藺子」】 お店の扉を開けると店員さんの挨拶よりも先に藺草(いぐさ)のいい香りが出迎えてくれました。 思わず「いい匂い!」と口々に話していると、店員さんもにっこり。 ・ 苑裡駅から歩いてすぐのところにある藺子。 伝統的な藺草編みを現代的にアレンジした帽子やカバンを始め、藺草を使った様々な小物を取り揃えているブランドです。 若手デザイナーと60~90代までの地元のつくり手の方が中心となって製品をつくる一方、若手の育成も行なっています。 店員さ