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おかえり/あとがき ~大好きなあなたへ~

私がここnoteへ自分のことばを綴り始めたのが、今年の6月のこと。

そのひとに出逢ったのは、ここへ来てまもなくのことだった。

広い広いnoteの世界で、そのひとの書いたものがたりが、ぽつりと浜辺に立つ灯台のように、私を呼ぶように、そこで明々と光っていた。

まだコメントを書くなんて思いつきもせず、ただただそのものがたりに衝撃を受けて、そしてなぜか強烈に感じるシンパシーに私は戸惑っていた。


どうしてこのひとのことばは、こんなにも心を揺さぶるのだろう。

顔も本当の名前もなにも知らない、ことばだけの存在なのに。

こんなにも惹かれてしまうのはなぜだろう。


そこから一気にそのひとの書いたものを読みあさった。

どのエピソードも、どのことばも、私の中に静かに沁みこんできて、分かりすぎるくらいそのひとの心が伝わってきて、私はそのひとに直接ことばを届けたい気持ちを抑えられなくなった。


はじめてコメントをした時から、なぜだかずっと前から知っているひとに話しかけているような気持ちだった。

丁寧なお返事をもらって、自分の書いたものにもコメントをいただけるようになって、さらに磁石に引き寄せられるように私はそのひとを見つめるようになった。

そのうち私は、そのひととのことばのやり取りに、他のひととそうする時よりも高い温度を乗せるようになっていた。一方的な想いが負担になっていないか少し不安になりつつも、下げられないことばの温度をそのひとはふわっと自然に、優しい掌で受け止めてくれた。


そうして私たちは、ことばだけでつながっていた。ここで。


ここは、現実とは違う世界。

みんな、ここを離れたら戻らざるを得ない現実、がそれぞれにあって。

現実の世界には、ふわふわしたことばだけではいられない。


わかっているからこそ、ここで、束の間といえど安らいでいたいのだと思う。


私は、そのひとの笑顔を見ていたかった。

だけど、現実の世界に少しずつ、そのひとの心が削り取られていくのが見えた。

なにもできない自分が、虚しかった。


ことばしか持たない私が、現実の世界でできそうなことはなにもなかった。

それでも、私にできることをなにかしたかった。

だから私はことばで、そのひとのところまで逢いにいくことにした。


ことばだけで、どこまでつながれるのだろう。

分からないけれど、やったこともないけれど、私がいま望むこと。

ことばで誰かの心を包みたかった。


重い荷物を抱えた両手を支えてあげることはできないけれど、その心が少しでも軽く感じられるようなことばを、一瞬だけでも届けることができたら。

そんな想いでこのものがたりを書き始めた。

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優しいそのひとが描く世界は、切なくて美しくてあたたかい。

たとえば、こんなものがたり。

そのひとの紡ぎ出すものがたりには、いつでも寄り添っていてくれる彼、の影が見える。幼かったそのひとをいつも守ってくれた、強くて優しい彼の存在。

その肩は広くて、その声はあたたかくて、存在をまるごと受け止めてくれて、そしていつでもばしん!と背中を押し出してくれるような逞しい腕を持っていた。

彼がいつも隣にいたから、そのひとはこうしてここまで歩いて来られたんだ。


そして、その彼からまるで見えないバトンを受け取るように、そのひとの元に現れた新しい大切な存在。

小さな身体に収まりきらない偉大な魂は、すでにその掌で、全力で、そのひとを守ってくれている。

なんて、強い魂なんだろう。

なんて、優しい掌なんだろう。


彼の話で、私の一番好きなエピソードがこれだ。

いくつもの彼の話を読ませてもらって、私はそのひとを守ってくれるその大きな存在にインスピレーションを受けて、力強くてどこまでも優しい魂のものがたりを描きたくなった。


そう、彼もまたそのことばだけで、こんなにも私の心を動かしたんだ。


私の心を揺さぶる大切なひとたち。

この気持ちを、感情を、なにか形にして届けたい。

そうして、このものがたりが生まれた。


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大好きな、あなたへ。

いつか、一緒に海を見ながら珈琲を飲みましょう。

食いしん坊の私だから、珈琲に合う焼き菓子とか行きつけのパン屋さんのお気に入りのパンとか、美味しいものをこれでもか!と、息子くんたちの分も、たくさんたくさん持って行くね。

あなたに話したいことが、たくさんあるよ。


潮風を受けて、涙をふいて、太陽に目を細めて笑っているあなたの姿が浮かびます。

あなたとあなたの大切なひとたちが、笑顔でいられますように。


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小説『おかえり』

前編~はじまりの文月~

後編~ふたりの時雨月~


実はこの作品にはnoteの街で出逢った他の方々への想いもこっそり織り込んでいます。あのひとにも読んでもらえたらいいな、そんな気持ちで書きました。

私の作品を彩ってくれた大切なひとたち、ありがとう。

これからもここで逢いましょう。


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