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サッカー少年だった息子

高校生になった息子は、部活はやっぱりサッカー部を選びました。
目立つプレーも無く、シュートを決めた姿を見たこともありませんでしたが、中学3年まではずっとレギュラーで、チームの皆んなからキャプテンにも選ばれました。
そんな息子でしたが、高校では、試合に出る機会も少なく、ベンチを温めるばかりだった様です。
それでも息子は、嫌だ!とも、悔しい!とも言わず、黙々と、部活を続けました。

思春期の息子と、話をする機会も少なく、
あの頃の思い出は、何か暗く、寂しい感覚だけが印象に残っています。

高3になった息子は、部活も引退し、大学受験を目指し日夜勉強に励む様になりました。
正直に言うと、あの頃の事は、記憶に無いんです。
覚えているのは、
1月…センター試験の当日の朝、家を出るが出るまでテキストと睨めっこをしていた息子、
最寄りの駅まで送って、見送った。
あの時、自信に溢れ、嬉しそうな笑顔をチラッと見せてくれた
息子…
その時、まだ気付いていませんでした。
これからの永きに渡る…苦難の始まりに…

おわかりですよね…
苦難の浪人生活の始まりです。

そして…
とうとう母は、応援だけでは気が済まず、小学2年生のサッカー少年の息子と、同じピッチに立ってしまうのです。
未熟な母は、あの時と同じ過ちを仕出かしてしまったのです。

常に息子の事を気にかけ、体調を気遣い、成績を上げるためには塾でも、家庭教師でも、何でもやる!

18歳の息子は、
身動きが取れない!
力が発揮できない!
成績が上がらないのは人のせい!
塾のせい!
物を投げ飛ばし、卒業アルバムはズタズタに破り、部屋の壁にはグーで殴った様な穴。

母の思いは、息子にとって重たくて、重たくて、
払い除けても、払い除けても、覆いかぶさっていたのです。

そんな未熟な母の、唯一許してあげたいところは、
根拠無く、ただずっと息子を信じていた…
そうだよね、ママ(号泣)


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