久しぶりに東京に行ってきた。 秋晴れに迎えられ、秋晴れに見送られた旅。 とても寒く雨にも降られたけれど、楽しかった。 やっぱり違う土地に行くことって大切だ。 森美術館でルイーズ・ブルジョワ展を観てきた。 自身の闇にどっぷり浸かった彼女の人生をなぞるような展覧会で、苦しいくらいのメッセージを発している作品達だった。 闇に向かいきって闇でもがき続けた彼女だから創れた作品、言葉。 よほどの精神的胆力がないと出来ない偉業だと思う。 よく長年あそこまで執着できたなと思う。 ちょっと私
2024年カンヌ映画祭で審査員賞受賞作品。 主要な役を演じた女優達4人が女優賞を受賞した作品でもある。 監督はフランス人のジャック・オーディアール、舞台はメキシコ。 ストーリーはメキシコの麻薬密売組織のボスが念願の性転換手術を受けて自分の人生を生き直すというもの。 スリラー&LGBTQ要素ありのスペイン語のミュージカル映画である。 ストーリー展開は大体予想がつくというかサプライズはないけれど、コミカルだったり音楽やダンスが良かったりエンタメ作品としてはとても楽しめた映画だ
この間、日本に移住してしまう友人に会った。 旦那さんのお仕事の関係で移住することになったらしい。 何年住むか、またフランスに帰ってくるのかは未定だそうだ。 彼女は旦那さんの仕事の関係で世界各地に住んだ経験がある。 とはいえここしばらくはフランスに落ち着いていたため、国境を越える引っ越し準備はなかなか大変だったらしい。 ひたすら断捨離をする日々だったようだ。 そんな彼女から日本語の本をいくつか頂いた。 その中にあった一冊。 2010年に公開されたジュリア・ロバーツ主演の映画
つい最近メンタルケアのためにカウンセリングをようやく始めた。 日本でもオンラインで受けられる所が増えていて凄く助かる。 以前調べた時は初診は対面のみの所が多く、受けられなかったので断念したのだが需要が増えているからだろうか。 数年前、フランスでも一度精神科に診てもらおうと思ったのだが、夫に止められた。 一度彼自身が精神的に参っていた時期に診てもらった際、精神科医に説教されて酷く落ち込まされた経験があるからだ。 自身の仕事や住んでいる町や住民が好きでないことを、理由付けし
生きている存在として避けられないもの。 死。 当たり前のことなのに、死を思ってとんでもなく怖くなったり、やたら死にたくなったり。 動物はそんなことを考えたりするのだろうか。 考えてなさそうに見えるけれど。 猫は確実に考えてなさそうだな。 海外で暮らしていると老後を不安に思うことがある。 特に私には子供がいないから、このままここで年老いて一人になって死ぬのだろうかとたまに考えても仕方のないことを考える。 でもそれは祖国にいても同じこと。 家族がいても同じこと。 少し前、
ソフィアローレン主演のローマ帝国の滅亡を観た。 3時間を超える作品。 ここのところ集中力があまりなく、ドラマでさえ観終われないことが多いため観きれないかもしれなと思いながらの鑑賞。 結果、全然観れた。 少しだけいくつかの戦闘シーンが長すぎたきらいはあるけれど、最後まで目が離せなかった。 大画面で観たからというのもあるからかもしれない。 エキストラの数から、セットから、衣装まですんごいスケールの映画だった。 ローマ帝国時代の神殿などの建造物のセットは7カ月かけてスペインで
昨日、一昨日と海の透明度がとても高かった。 こういう時は水中の魚を見るのが楽しい。 びっくりするくらいすぐ近くまで寄ってくるけれど、絶対に触れられない。 よく見る魚の名前を初めて調べてみた。 フランス語ではObladesというらしい。 英語ではSaddled seabream。 尾鰭の付け根が黒くてかわいい。 よく見かけるのはだいたい10cmくらいのサイズ。 知らなかったけれど、歯が生えていて噛み付くこともあるらしい。可愛い顔して。 ちなみに食用にもなるらしい。 昨日は一
欧州の女性と話をしていると、彼女達は金髪碧眼に優越感なり劣等感なりを持っている人が多いなと感じる。 私が今まで接してきた欧州の男性はそこまででもないように感じる。 もしくはそこまで本音を引き出せていないか、私がアジア人女性だから気を遣われているか。 女性の場合、見た目の美醜にこだわってなさそうに見える人(メイクも薄く、身につける物にこだわりが無さそうに見える人)でも、ふとした時にその人が感じている外見の優越感や劣等感が金髪だったり青い目由来だったりすることに気がついた。
ポルトガルでは人間天使のような人の家に泊めてもらっていた。 彼女は夫の親戚でポルトガルのとある美術学校の先生をしている。 いつも穏やかでニコニコしていて人のことばかり考えている。 今回も彼女からの是非家に泊まっていってという希望から甘えさせてもらってきた。 泊めてもらっている間も何から何まで気遣いが行き届いており、こちらが気疲れしないか心配になるくらい良くしてくれた。 彼女は一度離婚していて子供が二人いる。(どちらも成人済) 子供二人もたまに会うのだが彼らは父親のことを誇
リスボンのアルカンタラ地区にある東洋博物館。 現在開催中の日本の祭りと儀式の展覧会に行ってきた。 この博物館は常設展だけでも東洋文化に興味のある人ならかなり面白い博物館だと思う。 ポルトガルとの東洋との歴史を主要に扱っているから、ポルトガルと縁の深いインドや中国、日本のものが特に充実している。 ヨーロッパの東洋文化を扱う博物館、美術館といえばパリのギメ美術館が有名だが評判とは裏腹に昨年初めて訪れた際、規模の小ささに少し物足りなさを覚えた。 リスボンの東洋博物館では今回の
私はポルトガルという国が好きだ。 ポルトガル人の国民性が好きだ。 私の暮らすフランスではポルトガルという国は馬鹿にされがちである。 何故かというとその昔、ポルトガルが独裁政権だった時代にフランスに来た移民が沢山いて、そのイメージが強いせいだ。 移民というのはとかく立場が自国民より弱い。 持てるものを全て手放して裸一貫異国の地で暮らす。 仕事なんて選んでいられない。 そんな理由でお金持ちアパルトマンのコンシェルジュや掃除婦、工事現場や建設現場などの仕事をするポルトガル人がフラ
半年くらい前の、日本に一時帰国中だった時の話。 その日は京都にいた。 京都は帰国する度に行く、大好きな土地のひとつ。 京都にいる時は私はとにかく歩く。 バスは混むし地下鉄は景色が見えないからつまらない。 なので歩く。 グーグルマップ様様で、あれがあればどこだって歩いていける気がする。 一度なんかは京都に来れたのが嬉しすぎて楽しすぎて、清水寺近くに取っていた宿から出発してまず祇園をぐるっと回って、錦市場を往復し、祇園白川を歩き、南禅寺、哲学の道からまた歩いて下鴨神社と上賀茂神
約ひと月前からずっと続いていた咳が、最近ようやく治った。 お医者さん曰く特に何のウイルスというわけではないらしいが最近よく流行っているらしい。 感染症や病気ではないとしても咳をし続けるのはなかなか辛かった。 処方された咳止めの薬やシロップもあまり効果はなく、一番症状が和らいだのは辛子の湿布だった。 辛子の湿布は手作りできる。 粒マスタードをすり潰したものと小麦粉や米粉をお湯で混ぜ、ガーゼやタオルに塗布して胸元か背中に湿布する。 数分経つと辛子の効能で湿布部分が熱くなってき
ロンドンではいつものように美術館・ギャラリー巡りをしてきた。 今回初めて行ったのはロンドン大学内にあるピートリー博物館。 大量のエジプトコレクションを無料で公開している。 大英博物館のエジプトコレクションよりは見栄えはしないもの、重要でないものなのかもしれない。 だが展示品との距離がとても近いことや展示の仕方が無造作で大量で、コレクションがより身近に感じた。 とっても気さくなスタッフがいろいろと説明してくれるのも嬉しくありがたい。 こういう物凄く精巧な昔から残っているもの
ロンドンに行ってきた。 何かと停滞している時には旅に出るのが一番だ。 やっぱりこの街が好きだ。 特に新緑が映えるこの季節、公園がたくさんあるロンドンは格別に美しかった。 ロンドンくらい緑豊かな首都って珍しいんではないだろうか。 と思ったらロンドン住民の90%が公園から徒歩圏内に住んでいるらしい。 しかもロンドンの公園は大抵古いので木々が大きく、首都に居ながらにして森の中を歩いているような感覚を味わえる。 ハイドパークなんて特に中に入ってしまえば360°木々に囲まれてビルも
夫の働く幼稚園での話。 夫の受け持っているクラスには一人、自閉症の子供がいるらしい。 その子は落ち着いて座っていたり、ほかの皆がしていることを一緒にするということが難しいそうだ。 しょっちゅう叫びまわったり棚の上にあるものを全部落としたり本棚を倒したりするらしい。 他の子たちはというと、割とそういうものという風に受け入れているらしい。 昨日はその自閉症の子が教室の後ろの方で椅子に上って叫び始めた。 興奮して椅子から落ちると危ないと思った夫は、「危ないから降りなさい」と言って