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chari_lele
短編小説0061 幸せの罪悪感 576文字 1分読
幸せを箇条書きにしてみる
◆19才の息子といまだにキャッチボールをする。
とっくに能力は追い抜かれている。
◆現役バリバリ女子高生の娘が作るケーキやらクッキーやらのスウィーツ。
◆カミさんとの週末恒例スーパーへの買い出し。
◆家族四人での外食。たまに。
◆家族の思い出ムービーや写真。軽い気持ちで見始めるとキリがなくなる。
◆カミさんの弁当。幸せとともに感謝です。毎日あリがとう。
◆洗濯物干し。特に子どもたちがうんと小さい頃は。汚れていたり、名前が書いてあったり。今日も楽しく過ごしたかな?と想像しながら干す。
◆朝焼け、夕焼け
◆雨の音
◆文字を、書く
◆本から新たな視座を得る
◆人との出会い
◆コーヒーを飲む
◆ビールを飲む
◆BBQ
ふとした瞬間に、幸せや喜びの表現を抑えなければいけないのかな?と思う。
自分より不幸な人を傷つけるのでは?という傲慢な考えから口を抑える。
優しさと幸せをこねくり回して、複雑にし、次第に感受性が鈍感になり、表現力を削ぐ。
自滅する
おいおい、違うだろ、おい。
幸せなら、嬉しいなら、無責任なほどストレートに表現すればいい。
だって幸せで嬉しいんだもん
そのパワーとか気持ちが少しでも誰かに伝わって、そのまた誰かに連鎖して欲しいと願う。
ただそれだけなんで
単純に、添加物無しの、100%天然由来の、雑音がない、感じたままの幸せ。
幸せに罪悪感はいらない。
おしまい