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ひとりぼっちじゃなくなった年末年始


年末年始が苦手だった。


わたしには帰れる実家がない。
実家の家族と絶縁中ということもあるけれど
そうなる前から父は再婚し、妹も結婚して家庭があるため、それぞれが新しい家族と過ごすようになり、みんなバラバラになっていた。


学生時代や20代のときに一緒に年越ししたり
初詣へ出かけた友達はというと、
30代にもなると結婚して自分の家庭があったり
実家や義実家へ帰省するようになったりと忙しく、
もう友達同士でわいわい年を越すようなこともなくなっていた。



それぞれが自分の一番大切な人と過ごすなかで
家族といえる家族もいない、帰る実家もない、
独身一人暮らしだったわたしは
完全に年末年始を持て余していた。
どう過ごしたらいいのかわからなかった。


一人なんだし自堕落に過ごしてもいいけれど
それもなんとなく落ち着かない。

だれになにを言われてるわけでもないのに
年末年始という非日常がそうさせるのか
なにかしないといけない感じがしてしまい、
とりあえず一人で年越しして、一人でお雑煮を食べて、一人で初詣へ行く。
でもそれはそれでなんとなく虚しくて
何回一人で過ごしても、どうも慣れなくて。



普段は一人でいることが大好きなわたしだけど
日本中のほとんどの人が家族や大切な人と過ごすこの時期ばかりは、一人でいるのがなんか寂しい。

寂しいと思う気持ちがより孤独を増長させて
ああわたしって本当にひとりぼっちなんだなあ…とつくづく感じてしまう、そんな年末年始が苦手だった。


早く仕事がはじまればいいのに。
年末年始なんて終わればいいのに。
いつもそう思いながら、一人で過ごしてきた数年間だった。



そんなわたしが結婚して、夫の実家へ一緒に帰省することになった。

おととしの年末年始も呼ばれていたのだけど
仕事による激務で体調を崩してしまい行けず、
今回はじめての義実家での年越しだった。

義実家へはもう何度も伺っていて
いつもやさしく、あたたかく迎えてくれるので
もうすっかり打ち解けてはいるけれど、
これまでどこか“お客さん”のように扱われていたわたし。

けれど今回は、食事を運んだり洗い物をしたりとたくさんお手伝いさせてもらい、
そういえば「お手洗い借ります」とかもいちいち言わなくなっていた。
向こうも「もう勝手に使って〜」という感じで
そうやって少しずつ義実家に馴染んでいるのがうれしく
少しは家族の一員になってきたのかな?なんて
図々しくも思ったりして。


帰ってきて夫にそんなことを話すと
「mimiちゃんはもうずっと前から家族だよ。
俺も家族も、なんの心配もしてなかったよ。」
と言ってもらえて
そっか、わたしはもうひとりぼっちじゃなくなったんだ。
いまは大切な家族がいるんだなあ。
としみじみ感じて、これまで一人で過ごしてきた日々を想った。


わたしは一人が好きだけど、ずっと一人で生きていけるほど強くはなかった。
この先ずっと愛に触れず、味方だよと言ってくれる人がだれもいない世界で、一人で生きていられる自信がなかった。

たった一人でも心から愛してくれる人、
「いつも味方だよ」と言ってくれる人がいることが、どれほど生きる意味になるか。

不幸自慢をするつもりはないけれど
実の家族と連絡すら取らず、だれにも頼らず、
一人で生きてきたわたしには
大切な人がいるありがたみが、痛いほどわかる。



夫からのあたたかい言葉を受けとり、
あなたと結婚できてよかった。
あなたの家族と、家族になれてよかった。
そんな想いが込み上げてしまい
「わたしと家族になってくれてありがとう」
と言いながら泣きじゃくるわたし。
新年早々、かなり暑苦しい。

案の定、夫は戸惑っていたけれど
「うん。これからもよろしくね」
とさっぱり返してくれたのでありがたかった。


今年もよろしくね。
これからもよろしくね。

結婚したこと、
家族ができたことを実感して
もう一人じゃないんだという事実があたたかく
心に沁みた年末年始だった。



遅ればせながら、あけましておめでとうございます!

あっという間に三が日が過ぎ、
まだまだナマケモノのわたしですが
もうすぐ仕事もはじまるので、そろそろエンジンかけていきたいと思います。


今年も引き続き、楽しくnoteを続けていけますように。
たくさんの素敵な出会いがありますように。


改めて本年もよろしくお願いします。



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