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森林浴しよう。 #風薫る

『 風かおる 』という言葉が、夏の季語にある。
新緑の季節となり、さわやかな風が青葉若葉の香りを運んでくることが由来であるが…
この『 風薫る 』は『 薫風( くんぷう )』とも書き、平安時代には花の香りを運んでくる春の風を指して使われることが多かったようだ。
しかし、江戸時代には『 風かをる 』として和歌や俳句に登場し、初夏のころに吹く涼しい風の意味として使われるようになったそう。

では、この『 薫る風 』の香りのもとは、一体何なのか?
それは、フィトンチッドと呼ばれる、植物から発散される芳香性の微粒子だ。

Phyton( フィトン )「 植物が 」、cide( チッド )「 他の生物を殺す能力を有する 」と書き…
高等植物が傷つくと、傷口を菌や細菌などから身を守るために、周囲の生物を殺す物質を出すことが語源。
天敵である昆虫を忌避きひしたり、病害菌に感染しないように殺菌をおこなったりと、植物自身が自己防衛で作り上げた物質であるという。


そして近年、この フィトンチッドの癒やしの効果を検証すべく、さまざまな実験や研究が行われており、医学的に心身を深いリラクゼーションに導く効果が明らになってきている。
・脳内の a 波の発生をうながし、精神を安定させる
・自律神経を安定させる
・交感神経の興奮をおさえ、不眠を解消し、快適な睡眠をもたらす
・脳の活動や血圧をしずめ、怒りや緊張などを和らげる
・ストレスホルモンを減少させる( 免疫力強化、高血圧改善 )
・血中の抗がんタンパク質を増加させる。
・肝機能を改善する
・呼吸を正常に整える

樹木が発散するフィトンチッド( 精油成分 )の量は、特に光合成が活発で発散に適した気温になる 6 月から 8 月にかけて多くなる。
正に、これからの季節が森林浴には最適な時期といえよう。


新生活にも少し慣れて、五月の連休も明けた今…
なんだか気分がすぐれない、食欲が落ちる、眠れなくなる等の無気力な状態にある人。
日頃、忙しくしている人。
知らず知らずストレスを溜め込んでいる人。
ぜひ、森林浴でフィトンチッドの恩恵を受けてみてはどうだろうか。

#シロクマ文芸部

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