カフェオレに思う
一口飲んで深く感じ入る。
あぁ、ミスドのカフェオレだなぁと。
独特のコーヒーとミルクのこの風味、きっと何十の中からでもミスドのカフェオレを見つけられるだろうなぁとしょうもないことを考えながら、これまでの30年ちょっとの人生の中で、意外とたくさんの瞬間をミスドのカフェオレとともに過ごしたことが蘇ってきた。
まだ肌寒い3月の朝、大学の合格発表に早く着き過ぎてしまい、心ここにあらずで過ごしていたあの時間。
今はもう活動を休止してしまった歌手のコンサートの後、閉店時間になるまで余韻に浸っていた夏。
友だちと学校近くのミスドでテスト勉強をする、と言いながらほとんどお喋りで終わってしまった10月。
ここのミスドによく来ると言っていたあの子を、何杯もおかわりしながらいつまでも待っていた2月。
全力で楽しいときも、ちょっとつらいときも、なんとなく寂しいときも、たくさんの思い出がこの味とともにある。
思い出がいつも自分に寄り添ってくれていることを感じる味の一つが、私にとっては間違いなくミスドのカフェオレだ。
季節は早いものでもう秋の始まり。
これからも、どうしようもなく楽しくて、切なくて、何気ない毎日を刻んでいきたいなぁと、そんなことを思う。