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赤色は誰の色?

 女児に選ばれるランドセルの色ランキング、とうとう赤が2位になったらしい。感覚値として女児は色とりどりで、とりわけどの色が多いという印象は既になかった。1位といっても21.5%とのことなので、女児で5人のランドセル戦隊を作って色が重ならない程度。色とりどりだと思った感覚値とほぼ一致している。赤と言っても真っ赤なランドセルというより臙脂やワインレッドのような幅があるので同じ色が本当に少ない。

 わが家は昨年ランドセル選びをしたわけだが、値段よりもコロナ禍で展示会が軒並み中止だったことよりも、息子の意見を尊重できるかどうかが心配だった。

 なぜなら、息子の一番好きな色が赤だからだ。

 おそらく、赤が好きになったきっかけは「きかんしゃトーマス」のジェームスだ。ジェームスはいつも自分のことを「自分のボディは赤くてカッコいい」と言っていたのが息子にも刷り込まれたのである。その後見るアニメや特撮でも、赤いキャラクターをずっと好きになっていた。

 ちなみに、2番目に好きな色はピンクである。好きなポケモンの色と、好きな仮面ライダーがどれもピンクで、いかにも女の子らしいピンクでなければピンクを選ぶことも多い。

 カバンも帽子も靴もパーカーも靴下もズボンも何もかも赤いので、逆に赤い服を着ていないと保育園で他のクラスの先生が息子だとなかなか気がつけないくらいトレードカラーが赤だった。

 赤を選んだ時に本人の意思を尊重したいが、息子は周りから浮くのを極端に嫌うところがある。赤を選んだことで、「男の子が赤いランドセル珍しいね」などと声をかけられた日には荒れる事は間違いないので、それを止めたい気持ちもある。

 そもそも、戦隊ヒーローのリーダーはレッドである(現在のゼンカイジャーを除く)。男児の好きなはたらくくるま、消防車も赤い。スポーツカーのイラストは大抵赤い車である。同じ悩みを抱いている先輩がいるに違いない、男児向け赤いランドセルのニーズもあるだろうと、機能性やブランドなどは二の次で、わたしは息子が気にいる男児向け赤ランドセルをひたすら探し続けた。

 結局、合同ランドセル展示会に息子を連れて行ったところ、わたしの半年以上に及ぶ悩みがなんだったのかというくらい、あっさりとランドセルが決まった。黒地にワンポイントやパイピングで赤が使われたランドセル。即決だった。

 今回は、わたしの悩みは杞憂であったが、息子の選択を尊重し続けられるだろうか、どこまで親が口出しすべきか、という良いシミュレーションになったと思う。






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