野木亜紀子作品はクラスの気になるあの子だ、という話
野木亜紀子脚本作とかけまして、クラスの高嶺の花の女子、と解きます。
その心は…という話。
先に断っておくと、本記事は今話題の映画「ラストマイル」に関連する内容ですが、ゲストの扱い以外の本編の内容には触れてません。まだ見てなくてメンタルに余裕のある人は(なくてもいいけど)映画見てね。
きっかけはかんそうさんの、この記事を読んだこと。
この中の一説、
でも「野木亜紀子」って脚本家を知っていればそんなアホみたいな味付けクソ雑チーズハンバーグカレードリア寿司!映画にならないことはわかってたし、
この部分にもう、ドラムロールするぐらいの勢いで膝を叩いてしまった。
一度でも野木脚本作品を完走したことがある者なら頷いてくれると思う。
野木脚本は、いい感じにオタクのほうを向いていないのである。
例えるならば、クラスの気になるあの子だ。
クラスでは友達と仲良さそうに話しているけれど、休日に何をしているのかは誰も知らない。
休み時間には見たことのないタイトルの本を読んでいる。
密かに男子に人気があるけれど、数々のアタックは気がついたら躱されている。
そんなミステリアスなあの子である。
ちなみに、満島ひかりがラジオの野木さんとの対談で、「野木さんの脚本って、ミントっぽい」と言ってたんだけど、わかる〜!!とこれまた膝を打った。
私が無駄に7行も使ったのにたった一言で表せるの、さすが満島さんだな…
アンナチュラルもMIU404も、泣く子も黙る大ヒットドラマと言っていい。それだけ人気が出たら普通はそのままシーズン2をやりそうなものなのに、やらない。
放送当時からスタッフやキャストの皆さんがインタビューで「いつかまたやりたいですねー(だがやらない)」という空気を醸し出しまくっていたし、野木脚本作ってオリジナルは今まで続編ないし…(オリジナル以外も多分逃げ恥だけ?)
だから、直接の続編ではないけれど、ラストマイルで主演陣が再出演したのは本当にびっくりした。実際カメオに毛が生えた程度の出演だけど、がっかりどころかむしろここまでやってくれるの!?新井Pスケジュール調整してくれてありがとう!!という感じ。
なんなら毛利さんと刈谷さん(Xで毛刈りコンビって呼ばれてるの笑う)はかなり活躍してたし!
だから冒頭の記事を読んだ時にはじめて、自分の中にもハンバーグカレードリアに対する欲望、あったな…と自覚した。
そして、それと同時に気付いたことがある。
そもそも、我々は公式のファンサに慣れすぎたのではないか?
これは完全なる個人の印象だけど、一昔前、00年代までの公式との距離感ってこんなものだったように思う。
オタクはあのキャラとあのキャラがくっつかないかな〜とか、あの人気キャラ再登場しないかな〜とか、あの作品の続編出ないかな〜と欲望のままに期待しながらも、公式で実現するのはそのうちのほんの僅か。
あの二人は友達以上恋人未満のまま最終回を迎え、あの人気キャラは他キャラのセリフや後ろ姿で匂わせるだけ匂わせてとうとう本人は登場しないし、あのアニメは続編が作られる代わりにブルーレイBOXが出た。
それがいつからか、最終回では結婚はおろか子供まで登場し、人気キャラは相棒の新シーズンぐらいの周期で再登場するし、昨今の続編・リメイク作品の多さで「今平成何年?」とトレンドワードがネタにされているのは皆さんご存知の通り。
これは完全なる個人の感想なんで、そんなわけねえだろ!と思う人もいるだろうけど、いわゆるMCUが始まったあたりから、世界的にこの傾向が加速しているように思う。
まあ時期的にTwitter(現X)が出てきた時期と一致するから、MCUのせいというよりかは、普通にSNS時代の傾向だと思うけど…。
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームなんて最初は完全にデマだと思ってたのに現実だったし、にもかかわらずそんな夢みたいな出来事がいつの間にか、そういうビッグイベントもまああるよね、ぐらいの扱いになってる気がする。世はまさにオタク大飽食時代。
…なんか途中からほぼMCUの話になっちゃったけど、要はこの公式大盤振る舞いの時代に、一人だけ俺に靡かない女子がいたら、そりゃもう忘れられないし追いかけちゃうのよ。
これからも野木さん、というか塚原監督、新井P含めたアンナチュラルトリオにはそうやって、わがままなオタクを振り回し続けてほしい。
…とお行儀よく締めるつもりだったけど、やっぱ本音を言うと中堂さんと大喧嘩する404とか、みこしょーに弄られまくる九ちゃんとかめちゃくちゃ見たいよぉ〜〜!!!!!
とりあえず現実路線として、映画大ヒットさせて製作陣もとい赤坂とか東宝の偉い人たちをいい気にさせ、オリンピックぐらいの周期でユニバース作品作り続けてもらおうぜみんな!!九重警部が早く見たいんだ私は!!!