すべての人の"思春期"を解放する。『しろいろの街の、その骨の体温の』
「あんたくらいの子は、自分のことを世界で一番醜いと思っているか、可愛いと思っているか、どっちかなんだから。白雪姫の鏡が、故障しているようなもんなのよ」
読み終わってから、まだ少し胸がドキドキしている。そんな物語と出会えたのが、なんと幸福なことか…
村田沙耶香さんの『しろいろの街の、その骨の体温の』の帯には、「学校が嫌いだった人たちへおくる、教室の物語」とあるが、正しくは「学校のなかにある謎ルールと、それに従う人たちと、それに違和感を覚えながらも従うしかない自分」が嫌いだっ