発達障害とどう向き合うか。
適応教室で出会った医師には、2ヶ月に一度の診察を受けています。
小児科で児童精神を専門としているその医師はとても忙しく、通常であれば半年先でないと予約が取れないそうです。
先日、4回目の診察でした。
「進路は決まりそうですか?」
という医師に、登校型で単位制の〇〇高校で決まりそうです。と伝えたところ、
「そうですか…まあ頑張ってください」
と、何やらしょっぱい返答。
もしかして登校型の学校が無理だと思ってる?ちらりとそんな疑念が脳裏をかすめました。
最近の様子は?との質問には、相変わらずゲームばかりで、うまくいかないと叫んだり物に当たることも多いです。と答え、横から妻が発達障害ってことはないですかねぇ…というと
「お子さんは発達障害ですよ」
と医師の即答。
「私これまではそのつもりで話していましたよ。だから診察に来てもらってるし、薬も出しているんです」
と、当たり前のようにおっしゃいました。
そして次の言葉が私にはちょっとショックだったのです。
「お父さんもお母さんもね、そうですよ。家族性のASDですね」
ASDとは、医師が簡単にいうには、敏感すぎたり周囲の空気や雰囲気が読めずに馴染めない特性のこと。
これまで発達障害に関する書物もいくらか読んできたので、息子もそうなのかもしれないとは思っていました。
しかし自分がそうであるとは考えたこともなかったのです。
本だけ読んで理解したつもりでいて、まったくわかっていなかったのですね。
しかし、言われてみれば自分自身にも思い当たるふしはありました。
極度に緊張して言葉が出なくなったり、他人の何気ない言葉や仕草を不快に思ったり、時には怒りすら覚えることも。
医師は続けて言いました。
ーお父さんお母さんも生きにくさを感じているでしょう?それはASDのグレーゾーンなんです。
でも、ちゃんと社会生活が送れているので何の問題もありません。
発達障害を良くしていくのは環境だけです。
だから、お子さんにも合った環境を見つけてあげてください。
ーーー
子どものことについて、医師は話すだけでどんな特性傾向があるか、だいたいわかりますと言われました。何百何千という数多くの親子を見てきた医師です。
なるほどその言葉はいずれも的をいているように思えたし、息子自身も話していて先生の言うとおりだと思うところはあったようです。
医師は、私たち親のことも見抜いていたのでしょう。
私はいま、職場でたったひとりの部署で仕事をしています。
それが自分にあった環境だから働き続けていられるのだと思います。
もしかしたら、世の中の生きにくさに名前をつけたものが発達障害なのかもしれない。
息子には登校型の学校を勧めましたが、もし発達障害であるがゆえに集団になじめないのだとしたら、この選択は間違っているのではないか。
そのあたりのアドバイスは、医師からはいただけませんでした。
発達障害のテストは受けたことがなかったので、息子に受けてもらうことにしました。
その日程はもう来年になってしまうので進路決定には間に合わないかもしれませんが、今後の息子の人生の指標になればと考えています。
家族全員ASDですと言われ、その特性を理解しどう向き合っていくのかが、私たちの大きな課題になったような気がします。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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