不安。それでも…。

12月の中ごろ、個人懇談がありました。

担任の先生、生徒と親の三者での懇談です。

通常であるならば両親のどちらかが出向けばよいものを、今回ばかりは両親そろって参加しました。

この日も息子は登校しておらず、面談の時間に一緒に学校へ向かいます。

息子は終始イヤそうな態度で、それは先生を前にしても変わりません。

すでに私も妻も先生も、彼が学校へ行けないことは承知していました。

そこで、先生は息子が最近まで放課後に陸上部で楽しそうにしていたことを挙げ、部活はやりたくないのかな?と聞くと、

「部活はやりたい」

と息子は答えました。

じゃあ、それだけでもいいよ。それで学校へは出席したことになるから、やってみない?

そのように促したのです。

はたして、息子は翌日から部活へは通うようになりました。

とはいえ、まだ医者からは全力での練習は止められていますので、この月にあった試合も出られません。

結局、放課後登校のような形で終業式をむかえ、冬休み。

冬休みの部活も、しぶって行かない日もありましたがそれでもなんとか頑張っていました。

年内の練習は28日が最終日。それも参加できました。

その翌29日は、行きたがっていたUSJへ。

5時過ぎの始発電車に乗って行きました。

パーク内では、アトラクションの待ち時間や体験型ゲームの結果に暴言を吐くことが気になりました。

「クッソ。ほんまクソや。死んだらいいのに」

このようなことをしきりにつぶやくのです。

私自身、中学生のころはそんな感じだったかもしれません。年頃というやつなのだろうと、それらの言葉は聞いてるような聞いてないような態度でスルーしました。

帰路につくころには、だいぶぐったりした様子でしたが、電車内でスマホを見ている間は元気そうでした。

すこしでも気持ちが上がって、3学期からは登校できる元気につながればと連れていったUSJでしたが、楽しんでくれたのかな。疲れさせただけだったのかな。

そんな思いで年が明け、2022年。

息子の気分は上がるどころか、徐々に下降しているようでした。

好きなこと以外はなにもしたくないという態度がはっきりしてきます。

親戚の家にも行かないし、初詣も行きません。

大型電器店へは、ヘッドホンを買いたいからとついてきましたが、自分の用が済むと途端に機嫌が悪くなります。

1月4日からは、以前書いた塾の冬季講習が再開しました。

これも12月は行けていたのですが、1月はその1回のみ行って、残り3回ほどあったものは行けませんでした。

講義の時間が近づくと軽く促すのですが、そのたびに頭をかかえてなにもできなくなるのです。

私が塾へ出向き、講師の方に事情を説明しました。
講師はとても理解のある方で、学校や塾に行けないことに焦らず、本人が元気になれることが第一であり、またそういう子どもたちにも進路はいくつも用意されていることなどを話してくださりました。
そして、なにより父である私自身が前のめりになりすぎているんじゃないか?と諭されもしたのです。
そこで私はいくぶんか冷静になることができました。

帰宅し、その日の夕食の時間に息子へ話をしました。

いま塾や学校へ行けなくても、それで将来に絶望することなんかない。
人の数だけ生き方はあるし、まだ人生は長いんだから、今はゆっくり休めばいい。

息子は応えませんでした。
まだ、自分の生き方を前向きにとらえることはできないのでしょう。

私も今の考えに至るまで、ずいぶん回り道をしました。

とはいえ、この状況に不安は拭えません。
それでも見守るしかないのでしょう。

そして、彼がすこしでも行動を起こしたくなったときの準備はしておこうと思います。


ここまで読んでいただきありがとうございます。
日々の疲れもあり、更新頻度がだんだん落ちてしまっていますが、これからも細々と書いていけたらと思います。

これからもよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?