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万年筆インクで毛糸を染める【顔料・蒼墨】

↓前回

前回、毛糸10gにしたところ量が多かったので【毛糸を5g】にしてみる。
また今回は【顔料インク】でも同じように染色できるか試す。染色しようと取っておいて忘れていたため、乾いてるかもしれない使用済みカートリッジである。

使用した材料・道具

  • 万年筆用顔料インク(カートリッジインク顔料蒼墨)…使い終わったあとのカートリッジ容器

  • ウールの毛糸(REGIA Hand-Dye-4-ply)…5g

  • 焼ミョウバン…1g

  • ショットグラス

  • 耐熱容器(お椀)

  • タオル

毛糸はウールなど動物の毛が多く入っているもの。

手順

ショットグラスに水40mLほどを入れ、使い終わったインクカートリッジ容器を入れる。
しかし乾いているのか、つけておくだけではあまり色が出ない。

カートリッジに竹串を挿して顔料をこそぎ落としている。

カートリッジは使い捨てなのだからハサミで切ればいいことに気付く。

4つに切り分けたカートリッジ容器。
ショットグラスにいれた水に、4つに切ったカートリッジが浮かんでいる。

これを竹串で混ぜるといい感じに色が出た。

毛糸(5g)をカセ巻きにする。
10cmくらいの幅のものに毛糸を巻き付ける。2箇所、別の糸(茶色の糸)でゆるーく結ぶ。

トラベラーズノートの下敷きに毛糸をぐるぐると巻き付け、2箇所を茶色の別糸で緩く束ねてある。

カセ状態の毛糸を、水に浸して中までしっかりと水分を吸わせ、両手のてのひらで挟み込んで優しく絞る。ポタポタと垂れてこないくらい。

インク水にドボンとつける。白い部分を残したかったので、上の方は水面から出している。

インク水に毛糸の3/4ほどが浸っている。

2時間後に見たらまだ水に色が残っていたため、毛糸の上の方まで沈めてみる。
そのまま一晩放置。

翌日
毛糸が色を吸うと水はほぼ透明になる。

ほぼ透明になった水と、淡いグレーに染まった毛糸。
毛糸は最初から浸していた部分の方がやや濃いめのグレーになっている。

焼ミョウバン1gを耐熱容器に入れ、少量の熱湯で溶かす。

お椀に焼ミョウバンを入れ、熱湯を注いだところ。まだ焼ミョウバンが溶けていない。

毛糸が浸りそうなくらいの量の水を足して混ぜ、常温〜ぬるま湯程度の温度か確認する。もしも熱かったら冷ます。
インク水ごと毛糸をくわえる。やさしく、かるーく泳がせるようにして行き渡らせる。

焼ミョウバン水に浸かっている毛糸。

この焼ミョウバンに浸す工程は、水溶性の染料を繊維に定着させて色落ちを防ぐための媒染という作業で、草木染めの際にやっていたものを私が「インクも“染料”なら媒染したほうがいいのかー?」と思ってやり始めたもの。インクの場合も必要なのかはよくわかっていない。今度比較実験をしてみようか…。
今回は“顔料インク”なので、ますます必要なのかわからないけれども、色は水に溶けていたし念の為やってみた。

30分ほど放置したら、水を交換したり、毛糸を泳がせるように動かしたりしてすすぐ。色が落ちる場合は水が透明になるまで繰り返し洗う。

両手のてのひらで挟み込んで優しく絞ったあと、タオルなどで包みぽんぽんと叩くようにして水気をとり、陰干しする。

乾いたあとがこちら。

全体的に青みのかかったグレーに染まった。左上(後から沈めたところ)はやや明るめのグレー

玉巻きします。
今回くらいの長さなら適当に引っ張ってもあんまり絡まない気がしますが…念のため…

参考リンクのカセは大きいので椅子の背を通していますが、ちょっと引っ張っても倒れない、カセの中に通せるものならなんでも良いです。(私は棒を足の指で掴んでます…)

玉巻きした毛糸。グレーの中にもうっすらと濃淡のある仕上がり。
玉巻きした毛糸。水色のような灰色のような色。ほかの色と合わせやすそうで良い。
筆記した時の色はこんな感じ。
ちなみにこれは1週間リングフィットアドベンチャーを続けたら編み物道具を買うぞと決めた時のメモで今回の染物とは関係ない。

筆記したときとは印象の違う色になりました。カートリッジをしばらく放置していて1度乾いたことによる違いもあるかもしれない

  • 毛糸5gはちょうど良い量

  • 毛糸を途中で沈めると淡い段染めになる

  • 顔料インクでも染められる

次回は媒染有バージョンと媒染無バージョンを作り、洗濯して色落ちの比較をしてみたい。

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