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【出生前診断】障害は出生前に調べるべき?胎児ドッグを受けた話
※ここから下の話は、人によってはやや残酷と受け取られるかもしれません。
ただ、私の中ではあくまで「夫婦のリアル」を伝えていきたいという思いがあります。とくに不妊治療されてる方の中には、苦手な人もいるでしょう。
子供の障害話や、出生前診断に抵抗がある方は戻って頂けると幸いです。
↓
出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前にダウン症かどうかを確認する方法のこと。
一般的には、お腹から針を刺し羊水を抜き取って調べる「羊水検査」が主流です。羊水検査の費用は10〜15万程度のものが多かった気がします。
ただ、羊水検査は流産のリスクが少なからずあるため、最近では血液検査で障害があるかを判別する「NIPT」も人気のようです。
しかし、NIPTには認可、認可外があり、特徴がそれぞれ異なります。
例えば、認可外は年齢制限もなく誰でも受けられるものの、20万以上と高額で手が出せないという人も少なくないようです。
認可された病院の場合は、年齢が35歳以上、同病院で出産予定の患者しか受け付けないなどなど。検査を受けるだけなのに、ハードルが高く受けづらいのです。
色々考えた結果、私はNIPT、羊水検査をやめ、妊娠11週の頃に胎児ドッグとコンバインド検査という血液検査を受けました。
胎児ドッグを受けた理由は、ズバリ検査が安かったからです。胎児ドッグとコンバインド検査あわせて、費用は5万程度。
ここでもし結果が悪ければ、羊水検査も検討しようかなと思っていました。
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↑11週目の頃。まだまだ、ボンヤリとした形しかわかりません。この状況でも、臍からの血流や臓器のチェックが行われました。
さてさて。私がなぜ出生前診断にこだわっているかというと。
決して障害児だったら子供を諦めようと思っていた訳ではなく、先に色々知っておけば出産の覚悟が出来るだろうと考えたからです。
私が妊娠した年齢は、当時40歳。採卵したのが40歳6ケ月目。不妊治療の場合は、年齢だけではなく採卵した月がいつなのかも重要なのだとか。
まぁ、そりゃそうですよね。だって、毎月卵子は老化すると言う位だから、不妊治療の先生も「早く採卵した方がいいよ」と勧める訳だし。
私が採卵した月日で障害児の確率を調べると、21トリソミーの子供が生まれる平均確率は1/70。18トリソミーが1/167、13トリソミーが1/524。
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↑病院で貰った診断書に書かれていた平均値
21トリソミーと18トリソミーの確率はかなり高め。この時、はじめて自分の年齢に対する現実を突きつけられたような気がしました。
実を言うと、まだまだ自分は心の中で大丈夫だと思っていました。
しかし、ここで障害児が生まれる確率を淡々と説明されて、「私って、かなり無謀なチャレンジをしていたのだなぁ」.と気づかされたものです。
さらに、医師の説明によると21トリソミーであればまだまだ長生きできるものの、18トリソミーだと生まれて1年以内に死んでしまう可能性が高いのだとか。
もし、これらの診断が下りたらどうしようか……。病院に来た途端、急に怖くなりました。
胎児ドッグを受ける前は、どんな子でも受け入れる覚悟でした。
しかし、いざ胎児ドッグを受けて説明を聞かされると、怖くて怖くてたまらなくなったのです。
ここで、さらに夫の「あのね、子供を産み育てるって綺麗事じゃないんだよ」という言葉が何度も何度も脳内をリフレイン。
私の夫は、総合病院に勤務する医療職の人間です。総合病院のなかでも、とくに重症患者達が訪れます。そこで夫は、トリソミーの子達だけではなく、もっと重症な子供達を何人も診察しています。
そもそも夫が医療職をしている理由は「困ってる人を助けたい」という志があるからこそ。
しかし、現場で多くの人々を見てきた当事者だからこそシビアな面もあります。綺麗事で医療職は就けないのだろうと、夫と接するたびに感じています。
「もし障害児が産まれたら、1日がその子の世話で終わる。プライベートも何もなくなってしまうんだよ。
これまで、色んな障害児や障害児を抱える夫婦をたくさん見てきたけど、生半可な気持ちでは絶対に無理だからね。
君は実際に障害児と会う機会がないから知らないかもしれないけど、俺は現場を何度も踏んでいる。本当に、その時は何もかも捨てる覚悟をしなければならないんだよ」
表情を一切変えず、淡々とした口調で私にいう夫。
そんな夫婦のやり取りもあったため、ここはお互いのために事前に調べた方がいいかなと思い、私は思い切って出生前診断に踏み切りました。
結果がもし悪ければ、その時改めて夫婦で話し合おう。お互いに納得のいく形にしなければ、お腹の子も幸せになれないかもしれない。そう思ったのです。
この流れを残酷と思う人もいるかもしれませんが、私はこの決断に至りました。
さてさて、私たち夫婦の検査結果ですが。21トリソミーと18トリソミーは血液検査✖︎胎児ドッグによって確率を割り出します。
21トリソミーの確率1/570、18トリソミーの確率1/10000。
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医師より「血液検査の結果がかなり良く、エコーで見る限り問題ありませんでした」と説明され、肩の力がスッと抜けたのを今でも覚えています。
13トリソミーに関しては、血液検査が出来なかったので胎児ドッグによる検査のみ行われました。こちらの確率は1/7826。
なお、胎児ドッグとコンバインド検査はあくまで確定検査ではありません。そのため、のちのち産まれてから障害が発覚することもあるそうです。
また、子供の障害とはトリソミーだけではありません。心臓、肝臓など臓器に障害を抱えている子もいます。
この場合は、後期のエコーでもわからないケースもあり、結局産まれるまでわからないのだとか。
(指の本数や、無脳症、二重脊椎、口裂などは後期エコーでチェックして貰えました)
つまり、五体満足の子が産まれるかどうかは、出産が終わるまでわからないのです。
現在、私は37週目。すでに生産期を迎え、いつ産まれてもおかしくない状況です。
そもそも赤ちゃんは、なぜ10カ月もお腹の中にいるのでしょうか。
私は思うのです。
もしかすると、お腹の中で少しずつ育っていく姿を見せることで、母親に覚悟を持たせようとしているのではないか、と。
胎動は、私の場合17週目からあり、どんどん力強くなりました。
胎動を感じる度に「この子は早く外に出たがっているのかもしれない。何が何でも、無事に外へ出してあげなければ」と思います。
しかし、今では出生前診断というものがあります。
これは一般的に人工中絶できる20週目付近までに検査をして、今後妊娠を継続させるかどうかを判断するもの。
よって、この検査で今後を決める場合は、胎動を感じる前に妊娠継続をするかしないかを決断しなければなりません。
妊娠する前は、正直なんて残酷な制度なのだろうと思っていたのですが、実際に自分が妊娠してみると、やはり子供の障害はとても気になったため、今では検査をする人の気持ちがよくわかります。
私は、妊娠前はどんな子供が生まれても、フリーランスなのだから時間の融通もきくし、ケアをしつつ仕事も出来るだろうと考えていました。
しかし、ある親しい人にその話をすると
「いやいや、そんな簡単なことじゃないよ。
あなたは、考えが甘すぎる。障害抱えている子供、見たことないでしょう?本当に、子供につきっきりになるよ。
それに、あなた達が仮にいなくなったら誰が面倒見るの?
子供を産む、育てるっていうのはね。1人の人生を、そして1人の人間の責任を背負うってことなの。
それにね、そうなったら正直今の仕事なんて絶対に出来ないから。全てを捨てなきゃいけない。あなたに出来る?できないでしょう」
と、言われました。(←これは夫ではないです)
その時、正直私は悩みました。
今の仕事を捨てて、果たして全てを子供に尽くせるだろうか、と。
その時、もしかしたら自分は全てを捨てるなんてできないんじゃないかなと思ったんです。
出生前診断は、夫婦が覚悟をする、もしくは誰も不幸にさせないために大事な検査なのだと感じています。
正直、出産が終わるまでお腹の子が本当に何も問題ないのかどうかはわかりません。
それでも、私たちは検査を受けたことで随分心が楽になりました。
妊婦検診においても、医師に胎児ドッグ検査を渡す度に「事前に調べておいてくれて助かるよ。ありがとう」と言われました。
私としては、正直受けて本当に良かったなと思っています。
妊娠生活は色々と大変だったけど、検査を事前に済ませていたお陰で、どこか気持ちが楽な部分もありました。
入院生活も37日間と長かったけど、頻繁にエコーで細かく見てもらえたし、臓器の障害があるかどうかをしっかりチェックして貰えました。なお、通常の妊婦検診だけだとここまでは調べてもらえないみたいです。
検査はお金もかかるし、入院生活は大変だったけど、その分安心して妊婦ライフを楽しめたのだと、今は前向きに受け止めています。
さてさて、出生前診断はやった方がいいのか、やらない方がいいのか……。実は、このネタに関して相談を受けることもあるんです。そこで、私は今回の記事をアンサー的な意味で紹介しようと思いました。
妊娠中に「お腹の子は大丈夫だろうか?」と不安を感じるならば、少しでも気持ちが楽になるために受けた方がいいんじゃないかなと私は思います。
検査費用は確かにお金はかかるけど、不安な気持ちで10ケ月を過ごすのは正直キツイです。
なら、不安を解消するためにお金を使うのも一つの手ではないでしょうか?
逆に「どんな子でもいいから、産みたい!育てたい!」と覚悟が決まってるならば、検査しなくてもいいのではないかと。
いずれにしても、夫婦でよく話し合った方がいいです。こればかりは自分だけではなく、旦那様の考えも必要なので。
産んでから「こんなはずじゃなかった」と思う話はただでさえ沢山あるので、できれば妊娠前からしっかり夫婦で話し合いした方がいいでしょう。ちなみに、私たちは不妊治療に踏み切るにあたり、かなーーーりしっかり話し合いました。
夫には、雑誌で障害児を育てている女性の記事を読ませました。
そこで夫は「どんな子でも育てたい」と泣きながら私に話しかけてきました。そこで、私は体外受精への覚悟がより固まったように思います。
今回はちょいとベビーな話になってしまいましたが、家族が幸せになるにも夫婦の話し合いは本当に大事です。
出生前診断するかしないかで悩まれてる方は、ぜひとも旦那さんとよく話し合ってから決めてくださいね。ではでは!