元彼の呪縛はNG?バチェロレッテから学ぶハイスペ女子の婚活裏事情 第9〜10話感想
※このnoteはネタバレを含むので、本編まだ見てない方はその後で👍今回も無駄に長いです
毎週楽しみにしていたバチェロレッテが終わり、すっかり萌子さん、杉ちゃんロスの私。
今回のバチェシリーズでは、今まで決して出てこないようなキャラが登場し、視聴者の涙を誘った。画家の杉ちゃんである。
杉ちゃんはとてもピュアな方で、真っ直ぐな気持ちを萌子さんにぶつけ続けてきた。ただピュアなだけではなく、思慮深い言葉選びの美しさが多くの人の心を打った。現在、空前の杉ちゃんブームが起こっている。
杉ちゃんの魅力は一言では言い表せないが、個人的に惹かれたのは穏やかさと優しさ。言葉の美しさ。
周囲の男性が人を蹴落とそうと汚い言葉をかける中、杉ちゃんは人の悪口を言わない。誰かを蹴落とすのではなく、人のいいところを見つけて褒める。それを繰り返し、気がつけば最後の2人まで残ったのだ。
他の男性には「なぜ?どうして?」と理詰め気味の萌子さんでさえ、杉ちゃんには少女のような笑顔でリラックスしていた。杉ちゃんは、おそらく本当に性格がいいのだろう。
杉ちゃんと萌子さん。2人ともどこか不器用で、マイペース。ピュアで真っ直ぐ。言葉を丁寧に選ぶ印象がある。2人の並ぶ姿は一見美女と珍獣に見える時があるが、醸し出す2人の空気が魅力的で実にお似合いだった。
しかし、萌子さんは最後の最後に「もっと一緒にいたい。離れたくない。けど、違うの」と杉ちゃんを断ってしまう。それも2回も、泣きながら……。
やんわりと男としては違うという言葉を最後に伝えた萌子さんに「なら、なぜもっと早くに落とさなかったの?男として見れないなら、付き合えないのでは?」という外野の声があるかもしれないが、きっと彼女なりに「恋愛と結婚は違うのかもしれない」と、性格の良い杉ちゃんについて考えようとしたのだと思う。
ただ、萌子さん。良い人だし、一緒にいたいし離れたくないけど、セック○できないごめんねって男からすれば酷だぜ……。
選ばれなかった人、選ばれた人の違い
今回のバチェロレッテは、視聴者からの圧倒的支持を持つ画家の杉ちゃんと、起業家の黄さんが残った。どちらが選ばれるのかハラハラして見ていたが、結局萌子さんは誰も選ばなかった。
その結果を知ったスタジオにいる参加メンバーは「お前!いい加減にしろよ!」「はぁ?」と汚い言葉を投げかける。なかには、萌子さんに「自分を見せていないのはそっちだ」などと責める言葉を並べるメンバーもいた。
お嬢様に向かって、この口の悪さ。そりゃ選ばないわな。
ただ、スタジオで吠えていた人は、炎天下の沖縄で「さあ!苦しい時が成長する時だよ!レッツエンジョイ!」と萌子さんに叫ばれながら、腕立て伏せに付き合わされた時に「クソっ!」と言っていた人と、急に部屋に訪問してきて「私のどこか好き?」という問いに「キレイ!」と表面的に褒め称えたら理詰めでフルボッコされた人だった。
とくにフルボッコされた人は、最終話前のスタジオトークでもルックスについて指摘されていたので、もしかしたら萌子さんに良い印象がなかったのだろうと察した。
そういう意味で、スタジオの男性陣が怒るのも、正直わからなくはなかった。
そんな中、最後に残った2人は「空気読まない所が萌子さんらしいよね」「萌子さんらしいね」と、彼女の姿勢に肯定的だったのが印象的だ。
最後の最後に残っていたローズ君、北原君もヤジを入れる男性に対し、萌子さんを庇い続けていた。まぁ、彼らは萌子さんとデートしたり、いい思い出があったからこそなのかもしれないが。
とくに、長旅に付き合わされてきた黄さん、杉ちゃんの2人が、本来であれば精神的にも1番しんどかったはず。むしろ、この2人がスタジオで誰よりも優しい顔をしており、器の大きさを感じた。
萌子さんの見る目は、流石の一言だった。彼女はきちんと、自分を認め受け入れてくれる人を確実に選んでいる。
では、見る目は確かなのに、なぜ誰も彼女は選べないのか。
自己肯定感の強い女性の婚活裏事情
萌子さんは、日本に実家がいくつもある生粋のセレブ。お嬢様ならではのマイペースぶりと、ピュアで真っ直ぐな姿はとても可愛らしい。
ただ、萌子さんはいつも「自分が」「自分が」と自己主張が多かった。それが良さでもあったけど。
もし、最後に誰も選ばないという決断をした場合。ここで一般女性なら、「ルール破ってしまってすいません。みんな素敵すぎて、どうしても選べなかったんです」と謝るか、とりあえず番組のために誰かを選んで、数日後に断ろうとするのではないだろうか。
ところが萌子さんは、スタジオで野次を入れる男性に対し、「みんな(参加した男性たち)なら私の決断を分かってくれると思っていた」と涙目で訴える始末。「ファッ?」となる男性陣。
そう。萌子さんは、良くも悪くも自分は決して間違っていないと肯定し続けてしまう癖があった。
旅の話についても、
「この旅を通して、私が気付いたのは私は愛に溢れている人間だということ」「私がどういう決断をしようと、私の人生」などなど。全部主語が私、なのである。
まぁ、確かにそうなんだけど。一応この旅は、Amazo○提供で、視聴者は課金してるって背景もあるんだよね。
Amazo○の都合や、参加者男性云々よりも、自分がどう思うか、いかに自分が好きであるかについて発言している姿は時に美しくもあり、時に目が点にもなったものだ。
しかし、何度か見ているうちに、この方は実は強いのではなく、本当はめちゃくちゃ繊細で傷つかないようにと、強い言葉を発して自分を守っていたんじゃないか、と感じた。
全編通して感じたのは、結局自分が一番好きな人なのかなと。もちろん、自分を愛するのは大切だ。自分を大切にすると、心に余裕が生まれて人にも優しくなれる。ただ、この手のタイプで婚活が長引く人をこれまでに私は何人も見てきた。
婚活市場には、萌子さんのような拗らせハイスペック女性は少なくない。
とくに、経済的に裕福、大手企業勤務のキャリアウーマン、才能豊かでなお、30代独身女性の中には、萌子さんのようなスパイラルに陥っているケースが多い。(※もちろん全員がそうではないが)
その理由はなぜかというと、この手の女性達は今のステイタスを失いたくない、または結婚しなくても困らないからではないか、と思う。
この手のタイプは、自分よりステイタスが下の男性ともなると、今あるキャリア、ステイタス、生活が結婚前より下がる可能性が高い。よって、自分よりランクが上の人を選ぶ必要がある。しかし、残念ながらいい年でハイスペックな男性は既婚者ばかり。そして、婚活の山手線に乗るのである。
ハイスペックな男女が結婚を決断するには
萌子さんのような自己愛が強く、ハイステータスな女性は、一体どうすれば結婚相手を見つけられるのだろう。
そこで、過去に彼女と同じように生まれながらのセレブで自己肯定感が強い人に、真実の愛を見つけた方がいる。そう、去年のバチェラーこと友永真也である。
友永さんは、本気で惚れた女性には「折れれるなって思ったんです」と受け入れる姿勢を取った。
この旅で必要な覚悟とは、もしかしたら自分の決断に自信を持つことではなく、相手を受け入れる、ここぞという時に自分が折れることだったのかもしれないと、昨年の友永さんをふと思い出した。
確かに、彼女の良さは、誰にも媚びずに凛としている所ではある。Amazo○という巨大企業や視聴者にさえも屈しない、強い女性。美しい言葉や一生懸命な男性の姿に涙するピュアさ。そして、時々杉ちゃんや黄さんといる時に無邪気になるギャップ。白スーツ姿の美しさ。
正直、私的にはあのスタンスを貫いて欲しい気もするが、「子供が欲しい」と言っていたので幸せになって欲しいという思いもある。
やっぱり、一目惚れするほどのルックスとスペックを持つ人を、もう少しAmazo○が用意するべきだったのだろうか。黄さんクラスの人、あと4〜5人欲しかった。いくらなんでも、超セレブのお嬢様が「お前」って呼ぶ人や、金髪オーガナイザー、何の仕事してるのかよくわからないような人を選ぶ訳がないだろう。
そしたら、友永さんのように「この人なら、折れれるかも」となっていたのかもしれない。
杉ちゃんには「好きだし一緒にいたいけど、男としては違うの」って言ってたから、生理的に好きになれるかどうかも萌子さんにとって大事なのかな。
しかし、SNSでは杉ちゃんを推している人がとても多い。結婚においては、男としてどうかより、自分の欠点を受け入れ、どんな時も暖かく見守ってくれる人の方が楽である。
そもそも視聴者のみんなさ、おそらく萌子さんが杉ちゃんを男として見ていないのはわかっていたと思う。だって、萌子さんわかりやすいもん。ただ、2人とも根がいい人そうだから、幸せになって欲しいのだろう。その思いが、空前の杉ちゃん萌子さんブームを巻き起こしているのではないだろうか。
真実の愛は探して見つかるもの?それとも
今回のバチェロレッテにて、最後の最後に黄さんが萌子さんのお母さんに「僕は中国人です」「僕のお墓が…」と、伝えるシーンがあった。その瞬間、萌子さんの表情がスッと変わった気がする。
このシーンを見て、私は黄さんに初めて誠実さを感じた。自分の弱さを見せたりする部分は、モテる男が女を落とす手法に多いので、これまで胡散臭いと思っていた。ここにきて、一気に黄さんの好感度が上がった。
しかし、私がそう思っても、萌子さんの目がチベットスナギツネになったらアウトということ。そこから、雲行きが怪しくなった。
黄さんの実家訪問に行った時は、あんなに「中国はお祝いの色が赤だから、今日は赤のワンピースなんです」と話していたのに。やはり、本格的に日本を離れるのは嫌なのかな、と察した。
あと引っかかったのは、萌子さんが何度も曇った顔で話していた元彼話。昔の恋のトラウマネタが多い当たり、実は萌子さんが最もリスクマネジメントしてるんじゃね?と思ってしまった。
全ての話を見終わり、私的には正直
「元彼!本当は、あなたが好きで忘れられないの…ウッウッ。けど、こうして頑張って前を進んで歩いてる私!偉い!
17人の男性と、本当に真剣に向き合ったの。でも、やっぱり思ったの。あなたじゃなきゃ、やっぱり私は折れれないなぁって。ああ、なんてかわいそうな私。
でもこれは私の物語で、この旅の決断をするのは私ッ!私が決めるッ!頑張るから見ててッ!
ああ、私ってなんて悲劇のヒロイン……ウッウッ…(最後の方、泣いてばっかりだった記憶)
杉ちゃん、ごめんね。あなたといると癒されて、昔の嫌な記憶を忘れられたの。でも、違う…違うの。男としては違うの…ウッウッ。やっぱり、元彼が好きなのっ!
スタジオにいる男性参加者達は、こんな私も受け入れてくれるよね?ね?」
と、元彼への壮大なラブレターにしか見れなかった。萌子さんスマン。
そんな萌子さんに対し、独特の芸術家的な表現で杉ちゃんはいつも暖かく受け止めていた。本当に惜しい、惜しいよ。杉ちゃん。杉ちゃんに性的魅力が…私は感じるんだけどなぁ。(杉ちゃん、あっちの方が濃厚そうだなって勝手に思ってる私)
今、SNSでは杉ちゃん、杉ちゃん、炭次郎、杉ちゃんの言葉で溢れかえっている。
一般的に、婚活市場であんなに包容力のある男性はほぼいない気がする。条件と条件の等価交換を余儀なくされる婚活市場で、自宅の庭にリンゴの木を一緒に植えながら告白してくれる人は、まずいない。
「明日世界が終わるとしても、リンゴの木を植えたい。明日世界が終わるってなっても絵描いてると思う、僕はね。他の人じゃなくて萌子さんじゃないとだめ。他の人じゃだめです。すごく大好きです」だなんて、ロマンチックな告白してくれる人なんて。ほぼいない。
言われるとしたら、将来的に同居してくれるかとか、結婚しても働いてくれるか、とかだろう。
今後、杉ちゃんは多くの婚活女子からアプローチされるかもしれない。どうか、変な女に捕まらないことを祈るばかり。でもやっぱり、りんごの木がもうちょっと育った頃に、再び萌子さんに3回目の告白をして欲しい気もする。りんごが実った頃には、杉ちゃんの恋も実ったらいいのになと思う。この際、たとえ萌子さんじゃなくても。
結婚は、歳を取れば取るほどあれこれ考えてしまい、どんどん決断できなくなってしまう。
おそらく、萌子さんのようなタイプは、なるべく20代のうちに親の紹介かセレブの集うパーティーで相手を見つけるのが本来ならいいのだろう。
私が婚活していた頃も、「この人は違う」「決して嫌いじゃないけど、なんか違うのよね」といいつつ、なかなか決断できずに婚活を続けてしまう女性をたくさんみてきた。もちろん、私もその中の1人だった。
私が決断できたのは、1番の理由は好き嫌いの感情よりも、崖っぷちだったからだ。
会社からは「結婚して早く辞めてほしい」と日々言われていた。独身のうちに不妊治療クリニックでAMH(卵巣ホルモン数値)を計り、数値の低さを感じて早く結婚しなきゃと思った。
30代の婚活は、どこかで本気で焦るのも必要だ。ただ、萌子さんのように30代前半ならまだいいかもしれない。これが35歳以降になると、グッと婚活が厳しくなる。
その理由は、35歳から高齢出産の年齢になるからだ。よって、子供が欲しい男性は30代前半までを望む。30代後半からの婚活は、まさに茨の道だ。
32歳だからこそ、中途半端に決断できないという理由もわからなくもないが、生理的に嫌じゃない相手で、自分と育ちが似てそうな人であれば一緒にいるうちに案外「悪くないかも」と思うこともある。
私は、そもそも真実の愛かどうかなんて、2〜3カ月みんなと一緒に旅しただけではわからないと思っている。結婚して共に生活をしても、子供が生まれてからも。もしかしたら、わからないかもしれない。
個人的には、最後に残った2人であれば、彼女の強さと繊細さをオブラートに包みつつ、上手く受け止めてくれる気がした。まぁ、結局本人が「あなたは違う」と言って終えばそれまでだが。
結婚とは独りよがりではできるものではなく、お互いに歩み寄らなければ難しい。
いつか萌子さんが「折れれるな」と思えるパートナーと出会えること、
そして最後まで残っていた杉ちゃん、黄さん、さらにスタジオで萌子さんを庇い続けたローズ君、北原君の幸せと、スタジオでワーワー叫んでいたマラカイ君が落ち着いた大人に成長すること、
スーツとホテルを世に広めたい牧野さんがマネーの虎風の番組に今後出演すること、あとは個人的に顔が好みだったハンノキザワ君が俳優で売れること、本編で爪痕残せなかった稲垣吾郎と成田凌を足して2で割ったルックスのアラサーチェリーボーイ(ゴメン名前わからない)が童貞を卒業するのを願っている。
おわり