【遺稿シリーズ】第十三夜~竜頭と木魚撥
chihayaさん家に遊びに行ったときに、畳の下から、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので、いただいて掲載しました
(゜0゜)
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こんな夢を見た。
知らない間に竜の背中に乗っていた。
そんなことは望んだ覚えもなかったのに、竜の背中に乗っていた。
「お前はどこに行きたいんだ」
竜が人間の言葉でそう尋ねた。
「どこでもいいんだぞ。お前の行きたいところに連れて行ってやる」
木魚を叩く棒を渡された。
「右のほっぺたを叩けば右に進もう。
左なら左だ。
まっすぐなら額を叩け」
竜はそう言った。
右には合戦場が見えた。
左には焼き芋をしている童子が跳ねていた。
額を二度叩いた。
何も見えなかった。
「もう一度叩けば何かが見える」
竜がそう言った。
もう一度叩いた。
真っ暗な空の、山の向こうに太陽がすっと上った。
気がつくと竜はいなくなっていた。
地上に降りて、手を合わせて日光を仰いだ。
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嘘ですみこちゃんのオリジナルでしたー(^-^)
chihayaさんの中学生のお嬢様から、とても素敵な「第十二夜」をつむいでいただきましたので、もう一回、夏目漱石でしたー