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ヨナ抜き(抜いて五音)という言葉に秘密があるのだ
前回は作曲理論まで到達できず、文部省唱歌のすばらしさのご紹介のみになってしまいました。でも文部省唱歌って、はっきりいって世界に誇るべき日本の芸術的達成だとみこちゃんは思っています。
印象派の巨匠セザンヌが日本の浮世絵に衝撃を受けて自分の作風に取り入れていったのは有名な話ですが、印象派の確立は日本の浮世絵なくしてありえなかった。でも、セザンヌが浮世絵を知ったのは、今で言う宅配便のプチプチ。
陶器を日本から輸送してもらって、「きたー\(^o^)/」と開けようとしたらその陶器が割れないように葛飾北斎が無造作にぐるぐる巻かれていた(爆)。それで「ないじゃこれ」と松田優作になった。
どうも、日本人は自虐史観はお得意ですが、自分の国の歴史や文化を正当に評価するのが苦手なようです。
また余談だらけになりそうなので、本題へGO!〜٩(ˊᗜˋ*)و
最初にさっそく公約を破りまして、楽譜を少しだけ。
でも、楽譜として読まなくてかまいません。図形としてみてください。そして、左から順番に「ドレミファソラシド」と口ずさんでみてください。
おかしい(゚0゚)。
ラ でおわっちまった!
そうなんですよ。ドレミファソラシドっていうのは1234567(8)でドが重複していて7音ですよね。
簡単に言いますと、これが西洋音楽なのです。
日本音楽の原型はドレミソラドの5個だけで作られています。もしご自宅にピアノがあったら、第四音の「ファ」と第七音の「シ」を抜かして、人差し指1本で弾いてみてください。
山田耕筰の音がします(画像クリックしてみてください)。
これで曲ができちゃいます。西洋音楽の理論なーんもいらない。
では一目瞭然ならぬ、一聴瞭然で、歌で「ファ」と「シ」を抜かしてみましょう。
極めて日本的ですよね。
ピアノがある方は、さっきのヨナ抜きで、順番デタラメに弾いてください。これで人生はじめての作曲可能です。曲になってますよね。
これが日本音階の秘密です。
ここに、「ファ」と「シ」を入れることにより、西洋音楽が始まります。もともとの西洋音楽の起源であるギリシャ音楽にはこの「ファ」と「シ」がありません。
いわば、「ファ」と「シ」はアダムとイブがりんごを食べたようなものなのです。ここから、知恵、知識がどうしても必要な人類の音楽が誕生しました。
確かに西洋音楽本筋の「ファ」と「シ」が入った音階は、これは禁断の食べ物でした。みこちゃんは、もし時間さえあればこの「ファ」と「シ」を研究して一生を終えたいと思うほどです。ものすごい豊穣なそれまで人類が知らなかったような世界がここで開きました。
異論はたくさんあるでしょうが例えば西洋音楽の極限までいっちゃった人、つまり「ファ」と「シ」を極限まで研究した人は、みこちゃんはクロード・ドビュッシーだと思います。でも、ドビュッシーはこの5つの音符だけで構成される音楽に非常にこだわりました。このYou Tubeの冒頭の曲はそうですね。
ちなみにドビュッシーも、音楽ではセザンヌのように「印象派」に分類されます。セザンヌが日本の葛飾北斎に影響を受けたように、ドビュッシーもまた、五音音階に影響を受けています。残念ながら我が国の芸大派閥ではこうした研究はあんまりなされていませんが、ドビュッシーをこういう視点で分析すると面白いので、だれかもっとやって欲しいものだと思います。
西洋音楽の歴史の中には、この5音への回帰志向が時々出てきますが、それはまた別の記事でたっぷり書きたいと思います。あのブラームスでさえ、交響曲でギリシャ旋法と言われる5音の旋律をつかっています。
「ねこ踏んじゃった」を、楽譜が読めないひとでも弾いたことがあると思います。
楽譜読まなくていいので、この鍵盤を目で追ってみてください。ほとんど黒鍵しか弾いていませんよね。
そして、黒鍵の数を数えてみてください。音名はいいです。数だけ。
周期がありますけど、5個だけですよね。
「ねこ踏んじゃった」は、ピアノの弾けない日本人の定番曲ですが、それにはわけがあったのです。「ねこ踏んじゃった」は楽譜がなくても簡単に弾けるというだけなくて、日本人が古代から慣れ親しんだ五音音楽だったのです。だから、「ねこ踏んじゃった」を日本人は愛するわけなのでした。
あとはですね、いわゆるギター小僧(^-^)。
ペンタトニックスケールを、まるでオナニー覚えたての男子中学生のように(爆)無限にやりますよね。
なんでか分かりますか?そこの男子中学生( ̄▽ ̄)。
その秘密は五音音階です。テキトーに弾いてもリッチー・ブラックモアみたいな(あくまでみたいなですけど)アドリブができるからです。
ここには五音音階がたっぷり使われています。
みこちゃんのジャズピアノの師匠は、ときどき「指一本で合わせてあげるよ」ってことで、ほんとに指一本で私の拙いジャズピアノの即興に伴奏付けてくれますが(ほんと即興で)、五音音階のマイナーペンタトニックスケールで付けてくれます。
マイナーペンタトニックスケールだと確かに指一本で、セロニアス・モンクみたいな音が出せます。セロニアス・モンクの即興演奏の秘密も五音音階にあります。JAZZなので、完全に五音音階ではなく、五音音階を際立たせるという目的で「ファ」と「シ」を<混入>させていますね。
ちと、作曲理論に暴走した感じもありますので、このあたりにいたします。
今回は作曲理論的なことが多めでしたが、あくまで音楽史。
先人がどれだけの苦労を払って音楽の歴史を作ってきたのか。そのリスペクトで連載を続けたいと思います。理論の記事ではなくて、あくまで音楽史。
だからまた、歴史の話に戻ったりします。
クラシック音楽が私みこちゃんの核ですが、なんでそれがないと生きていけないのか。
それは、クラシック音楽が歴史を重んじるからです。クラシック音楽は歴史への敬意を音にしたものです。
最近はバークリー音楽院のおかげで、JAZZを演る人もクラシック音楽理論(楽典)に造詣の深い方が激増しました。
サックスプレイヤーの渡辺貞夫さんは、昭和の山田耕筰と私は思っていますが、長くなるのでまたそれは別の記事で(^-^)。
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