暗い感情こそ美しい
「この世に必要のない人間はいません。」
とかいう題をつけて講演会を開いてみたい。
聴講料として5000円くらいとりたい。
きっとそんな講演会に集まるのは
苦労を知らない人間か、頭がお花畑な人間か、
精神疾患から立ち直った人間か、その家族か。
そんなところだろう。
「この世に必要のない人間はいません。
全員が望まれて生まれてきた人間なのです。」
などという空っぽな言葉を並べて拍手を浴びたい。
ついでにお辞儀でもして手を振ってやろう。
綺麗で前向きな言葉こそ、文章で表現するとなると空っぽさが増す。
最近、暗い曲ばかりが流行るのが1番この事を表している。
暗い感情の言葉こそ美しい。
澄んだ綺麗な目をしている人間は、恵まれてきた人だろう。
私の経験上、そのような人間は無知である。
考える必要のあること、ないことの棲み分けが上手なのだろう。
平気で人を傷つける、でもそのことに気づかない。
死んだ目をしている人間が1番美しい。
色んなものを見てきた目。
この世に諦めをもった目。
2つの穴みたいな目。
死んだ目をしている人間は物事の本質を捉えようとする。
人の感情の機微に敏感。
優しい人間。
その結果、死んでいく。
死んだ目をした人間は美しい言葉を持つ。
暗い感情ばかりとなり自滅へ向かう人間。
自滅する間際の人間が最も美しい。
線香花火の玉が落ちる間際が1番火花を散らすのと同じ。
儚く、美しい。
私がそう思いたいだけ。