日の出
初日の出を見た。
地元の森の見晴らし台へ
30分ほどの道を登っていった。
歩き始めは
細い三日月がかっこよく輝いていた。
整備された遊歩道は真っ暗で
懐中電灯を手に登っていく。
だんだん空は明るくなり
山の向こうからオレンジ色がやってくる。
オレンジ色のおおもとは
間違いなく朝日なんだけども
なかなかその姿は上がってこない。
山からでなく
海で水平線から上がる日の出を見る方が
日の出感あるだろうね
なんてことを言いながら
オレンジのおおもとを待った。
振る舞われていた甘酒が
あまく あたたかく
「しあわせ」という言葉がふわっと出た。
もう来ますよー!
と、太陽の使者かのようなセリフが聞こえて
甘酒を置いてカメラを構える。
山の向こうから
線香花火の最後の玉のような
オレンジのまんまるが上がってきた。
かじかむ指に懸命に信号を送りながら
シャッターを切る。
見え始めてから15秒ほどで
まんまるの全貌があらわになった。
いつもこうして朝が来ているんだ、と
当たり前のことを改めて思う。
こんなに美しい瞬間が日々繰り返されている。
それを改めて思えることは
とてもしあわせなことだと思った。
しあわせって、
こうやって自分の足で歩いて目指していける。
2022年、いいスタートです。