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084 | 変わる『広告』の意味
福岡で商業デザインを本業としながら、Webマガジン『ミッケ!フクオカ』の編集長でもあるおしけんです。note投稿84回目。今回は『変わる『広告』の意味 』です。
本業の商業デザインはなんだかんだで20年以上携わってるんだけど、業界としてはめちゃくちゃ激動の時代を過ごしてる。当たり前が当たり前じゃなくなることが当たり前になってる(ややこしい)。今日はまたひとつ、そういうニュースを目にした。
『中吊り広告』ってあれね、電車の通路のところにぶら下がってる横のポスターみたいなやつ。文春をはじめ週刊誌なんかは派手な配色と文字の強弱で目を引く、なんとなく大きな見出しだけは読んじゃうアレ。これを業界トップが掲出を取りやめるという話。
交通広告の売上は、広告業界の中では他の広告媒体に比べると、そこまで大きな減少のない範疇のものだった。ところが新型コロナウイルス感染症の拡大を境に、ガクンと出稿量が減ることになる。そりゃそうだ、テレワークを推進し、外出の機会を減らすことが必要になったため、交通機関の利用量がめちゃ減ったから。その減り幅は各交通会社の減収を見れば明らかだ。
『時代はデジタル・WEB・スマホ』と言われる中で、どれだけそっちに移行しても、通勤・買い物などの『人流』は変わらなかったわけだけど、そこに大きな変化があったわけだ。車内でスマホを見る人が増えても、車内吊りを〝見てもらう機会〟だけはキープしてたんだけど、そこが断たれた。
どんなジャンルでも、業界トップの方針や動向というのは影響力が大きい。当然のごとく、それに追従する同業他社は多いだろうし、異業種でも出稿を考え直す機会になる。
こうなってくると、収入源としてる交通会社はかなり厳しくなってくる。売上額としては大きなウエイトを占めていなくても、車両の運行や整備などに使う労働力を考えると、かなりコスパの良い収入源だからだ。
『広告』をもう一度考えてみる
広告(こうこく、英: advertising)は、非人的メッセージの中に明示された広告主が所定の人々を対象にし、広告目的を達成するために行う商品・サービスさらにはアイデア(考え方、方針、意見などを意味する)についての社会的な情報伝播活動であり、その情報は広告主の管理可能な広告媒体を通じて広範に社会に流されるものである(wikipedia)
自分たちがパッと思いつく『広告』は、テレビCM・新聞や雑誌の広告・折り込みチラシや街中のポスターなど。そこに今ではWEB上での動画広告やバナー広告などに至る。明確に定義しにくいもので言うと、口コミやレビューなんかも、ある意味広告となり得る時代だ。
そういう意味では、今後は『広告の定義』はすごく曖昧になってくる。もちろん広告には様々なルールがあるので、なんでもアリというわけではない。定められたルールの中で、何が効果的であるか選択肢がかなり広がり複雑化してくる。
個人的には難しい時代になったなと思う反面、チャレンジのしがいがある部分もすごく感じてる。戦い方の選択肢が増えてきたのは事実だし、数の論理で圧倒的なプロモーション力のあるメディアと戦う必要もない。
これからは間違いなく『①知ってもらう機会づくり』『②興味を持ってくれるファンづくり』『③伝えることに対して誠実であること』の3つが軸になる。ある意味インフルエンサーを使って瞬間的に話題にすることも、大手メジャーなコンテンツをダシに大きく見せる手法も、通用しなくなってるのが現状だと思う。
旧態依然とした〝お金の匂いのする広告〟に視聴者・閲覧者は敏感だ。自分は特に③の要素はキモになると思ってる。そういう意味では、やっぱり発信していくことに対して、積極的に真摯に向き合う必要がある。