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NFTまとめ①:NFTの誕生からバンクシーのアートが燃やされるまで
バンクシーのアートが焼かれる!?
2021年3月3日、ブロックチェーン信奉者グループによって著名アーティストバンクシーのアート"Morons"が焼かれる衝撃的な映像がTwitter流れました。
— Burnt Banksy (@BurntBanksy) March 3, 2021
彼らは、約10万ドル(約1100万円)で買ったMoronの実物を燃やす一方、デジタル化したMoronをNFTで売り出しました。(本件はバンクシー本人は関与していません)そして、NFT化したアートは、実分アートそのものを直接表現した新しいアートの形だと主張しています。
今年に入ってから毎週いろんなニュースが飛び出すNFT(Non-Fungible Toke:代替不可能なトークン)ですが、今回は前回のノート「電子猫とNBA(NFTのお話し)」よりももう少し掘り下げて、その歴史と仕組み、そして課題について書いてみたいと思います。今回のNoteでは、NFTの歴史とプロジェクトの事例をご紹介します。
NFTのこれまで
NFTの”代替不可能なトークン”のコンセプトは、2012年に生まれたカラードコイン(Colored Coin)に遡ります。カラードコインは、ビットコインブロックチェーン上に作られ、色のついたコインのように代替可能なビットコイン以外の資産をビットコインブロックチェーン上に記述できるようにしたものでした。ビットコインネットワークが稼働し始めたのは、2009年ですので、比較的早い段階でNFT的な試みは始まっていたと言えます。しかし、カラードコインは、ブロックチェーンの仕様上想定されていない利用方法であったため、定着することはありませんでした。
その後、2014年にCounterpartyが誕生。Counterpartyは、ビットコインブロックチェーン上に作られたプラットホームで、スマートコントラクトやブロックチェーン以外の資産でも利用できるように拡張が加えられています。なんとなく、ゴールはイーサリアムブロックチェーンに似ていますが、イーサリアムブロックチェーンのホワイトペーパーが発表されたのが、2013年11月でブロックチェーンネットワークが一般公開されたのが2015年半ばですので、Counterpartyはあえてビットコインブロックチェーンでイーサリアムのスマートコンタクトを実現しようとする試みでした。Counterparty上では、オンラインカードバトルゲームSpells of Genesis(2015年4月)、Rare Pepes (2016年10月)などデジタルアセットがリリースされます。Rare Pepesは、ユーザが作ったコンテンツですが、そのコンテンツをRare Pepes Directoryというまとめサイトにアップするには、Pepe Cashという暗号通貨を支払う必要がありました。Counterparty上では、これら以外にも沢山のプロジェクトが作られました。
2017年以降は、イーサリアムブロックチェーン上でNFTプロジェクトを構築することが一般的となり、前述のRare Pepesもイーサリアムブロックチェーンへ以降したようです。また、有名なプロジェクトでは、2017年6月にCryptoPunksがローンチされました。Crypto Punksは、一万種類のユニークな24X24ピクセルのデジタルアートで、所有者がイーサリアムネットワーク上に記述されており、所有権の売買も可能です。現在でも取引されており、ホームページによると過去12ヶ月で6720回の売買、平均売買額11.22ETH($17,134 米国時間3月5日時点)、累積売買額は75.39K ETH ($115M)となります!
CryptoPunksは、現在のNFTプロジェクトの基本的な機能を備えていましたが、2017年時点で利用可能なイーサリアムの規格であるERC20は、NFTを作るには向いているものではありませんでした。そのため、代替不可能なユニークなコインを作るためにERC721という新しい仕様が提唱されました。Github上の記録によると、最初のERC721のドラフトは2017年9月となっています。その後、2018年6月にERC721が最終版として承認されました。まだ、ドラフト段階のERC721を最初に採用したのが、2017年10月にローンチしたCryptoKittiesでした。(CryptoKittiesに関しては、前回のNoteを参照ください)
ERC721が正式な仕様となったことにより、2018年以降NFTのサービスが沢山生まれます。100以上のプロジェクトが走っていると言われていますが、以下いくつかのプロジェクトをご紹介します。
NFTプロジェクトリスト
🖼 デジタルアートマーケットプレイス
OpenSea
Mintbase
SuperRare
Nifty Gateway:最近Steve AokiがビジュアルアーティストのAntoni TudiscoとNifty Gateway上でNFTデビューしました。
TOMORROW... @steveaoki x @antonitudisco
— Nifty Gateway (@niftygateway) March 7, 2021
🔥🔥🔥ARE YOU READY?🔥🔥🔥 pic.twitter.com/8ruwHz0M6n
😘 ツイート
Valuables:Jack Dorseyが最初のツイートをNFTで販売したことで話題になりました。2021年3月7日時点での価格は、$2.5Mです💦
just setting up my twttr
— jack (@jack) March 21, 2006
🎴 コレクターアイテム
コレクターNFT各プロジェクトの売買高は、こちらのCryptoSlamでモニタリングできます。
NBA Top Shot:バスケットボール選手のコレクターズカードとファンタジースポーツ
SoRare:サッカー選手のコレクターズカードとファンタジースポーツ
CryptoPunks
CryptoKitties
Hashmasks
Aavegotchi
YellowHeart:ミュージックバンド「King of Leon」がNFT化した最新アルバム"When You See Yourself"や、コンサートチケット、デジタルアートをYelloHeart上で発売しました。
Get em while you can. https://t.co/0VAaVhpuoZ#NFTYourself#KOL8 pic.twitter.com/fQQvHK3Eg0
— Kings Of Leon (@KingsOfLeon) March 7, 2021
🥽 ヴァーチャルワールド
The Sandbox
Cryptovoxels
Decentraland
Somnium Space
🎮 ゲーム
Axie Infinity
Gods Unchained
MyCryptoHeroes
Battle Racers
🌐 ドメインネーム
Namebase
Ethereum Name Service
🍾 非デジタルアイテム
WiV :ワインやウィスキー
Check out our selection of fine wine collectibles on OpenSea from DAI 90 (usd) https://t.co/U1wtYz3jpx #opensea #finewine #winecollectible #nft #nfts #wiv #dai #makerdao #defi pic.twitter.com/xR29v3LIvV
— WiV Technology (@wivteam) April 23, 2020
Icecap :ダイヤモンド
Icecap allows a token owner to redeem the token, take possession of the underlying diamond, enjoy it as jewelry for months or years, and then re-tokenize it later so it can be placed back into the blockchain-based marketplace for trading purposes. Info: https://t.co/kp4kncPg5Y pic.twitter.com/BODiTqJLzl
— Icecap (@IcecapDiamonds) January 6, 2021
Crypto stamp :切手
🏦 NFT向けDiFi(分散型金融)
NFTfi : NFTを担保にしたローン
NFTEX: NFTアセットをイーサにて分割して沢山の人に売るツール
💽 NFTデータ
NFTBank
NoFungible
続くNoteでは、NFTの仕組みと課題について書いてみたいと思います。
「NFTまとめ②:NFT作成から販売、そして課題」へ続く。