演奏業界 よんじゅう4才の新人です
前回の記事を書きながら、「演奏市場について知ったようなことを書いてるけど、アンタ誰だっけ?」と感じられるだろうなあ、と我ながら気になってましたので、自己紹介です。
演奏業界 唯一の経歴
現在、出張演奏LiveDeli(https://www.livedeli.com)を運営する株式会社ムジカルで代表取締役をやってます。
LiveDeliの準備を始めたのが2016年7月。それまでは、SEとして4年間、さらに外資系コンサルティングで有名なプライスウォーターハウスクーパース株式会社(現PwC合同会社)でITコンサルタントとして14年間、働いていました。
いわゆる、「IT畑」の出身ですね。
特に、受発注や生産管理、経理などの「基幹系システム」の導入として、業務改善したり、数十名のプロジェクトのPMをこなしてきました。
いろいろな業務を遂行してきましたが、一貫しているのは、「ユーザーの課題を解決する」こと。
「勇気ある人が高い目標へチャレンジしている。しかし現実とのGapが邪魔をする。そのGapを明確化し、解決することで、成功を支援する」
これこそが、わたしの人生のミッションです。
さて、ご覧のとおり、学生から社会人まで、音楽業界にいたことはありません。
「音楽業界の創業家では、異例のめずらしいヒト」だそうですよ。
当然、音楽には詳しい・・・?
小さなころにエレクトーンを習ってたので、楽譜は読めるかなあ。高校のときに独学したギターは… Fくらいで断念。公園で友人の演奏に感銘をうけたジャンベは、「大人の音楽教室」へ通ったものの、事情あって1年間で退会。 あ、ウクレレはコードを押さえられるようになりました!
というわけで、実はわたし、ほとんど楽器弾けません。
じゃあ、楽曲やアーティストに詳しいのか?というと、クラシック作曲家は学校で習った程度。有名な曲名もすぐ忘れてしまう(涙) POPSはずいぶん聞いたけど、ファンクラブへとはまったわけでもなく。
じゃあ、音楽に興味がない・・・? → いえいえ、誤解です!!
わたしは、”音楽と目の前の演奏家、そしてその空間を楽しむ”ことが大好きなのです!
ライブへ行ったら誰よりもノリノリ。
演奏家の指先を「どうやって弾いてるんだろう…」とガン見。
MCには爆笑し、歌って良い状況ならば、友だちと肩を組んで大声で熱唱です!
さて、「音楽が好き」は、いつから「上手い」や「詳しい」に代わられたのでしょう?
もちろん好きが高じると、体験を重ね、情報を集め、知識が増える、ことは多々あります。は多々あるものです。
しかし”音楽”は、もっと寛容で文化的なアクティビティなはずです。原始的で本能的で、誰のものでもなく、誰のものでもある。
つまり、どんな形で楽しもうと、自由な存在なわけです。
ところで、ここ数年、フェスがブームですね。アーティストのファンだけでなく、その空間を友人と共有したい、いわゆる”にわか”がたくさん集まって、いろいろな楽しみ方が生まれ、さらに新しいファンとなる。現代風の素晴らしいトレンドだと感じます。
では、クラシックやジャズ、オペラのような(日本での)マイナージャンルは、どうやって”音楽空間”を楽しめば良いのでしょうか?
コンサートやジャズクラブへ行く? 音響としても最高の選択です。でも、一般人にはハードル高いし・・・
・・・そうだ! じゃあ、ウチへ来て、演奏してもらえばいいじゃない?!
こんな思いでLiveDeliは生まれました。
演奏家たちが長年、培ってきたその演奏技術を五感で味わい、子どもたちや友だちと共有共感したときの、その感動!!
わたしが、ライブハウスや欧州の路上で味わった音楽空間を、日常へ持ち込んでしまえばいい!!
さらに、クラシックやジャズがマイナーと言ったって、いざ聴いてみると、普段の生活で聴き慣れたりする、とっても楽しみやすいパフォーマンスがたくさんあるわけです。
LiveDeliは、日常の中で自由に音楽空間を楽しんでほしい!という、音楽ド素人だからこその目線から生まれました。
演奏家の価値は1つじゃない
もう一つ大事なこと。
上で書いた通り、わたしは楽器が弾けないのですが、どういうことか、「弾きたいアコガレ↑」と「歌が上手い羨望」は誰よりも強いのです。
だからこそ、楽器でも歌でも「音楽という分野に労力と才能をつぎこんできたチャレンジャー」たちを強くレスペクトしています。
ただ、わたしが出会った演奏家やバンドマンたちは、とにかく食っていけなくて苦労している。メジャーデビューして有名になっても、1年後に契約終了なんてハナシもありました。
どうしてだろう? 自分がこれほどレスペクトしているのに、なぜ、「食っていけない」のだろう?
わたしなりに1つの答えが出ました。
それは「画一的なビジネスモデルの幻想」です。細かい話になるので、詳しくは別途、note書きますが、つまり、(1)曲が売れてメジャーデビュー、(2)オケ等の団体でサラリーマン しか職業音楽家として生きていけないことが、「食っていけない」ことの原因でした。
その結果、この構造に適合しなかった演奏家たちは、プライドを傷つけられ、自分を否定し、音楽から距離を置いてしまうケースが多々あります。
そんなの、おかしいでしょ!? (ドンッ! ←机をたたく)
単なるビジネスモデルに適合しなかっただけで、諦めなければいけないほど、音楽ってつまらないものなのだろうか? これほど自分を楽しませてくれたパフォーマンスは否定されるのか?
これが、LiveDeliが生まれたもう一つの理由。 演奏家たちに、別のビジネスモデルを提供すること。
まずは出張演奏をサービス化し、聴きたい・見たいユーザーと直接、対峙できるようにする。少額でも稼ぐことで、プロの緊張感の中、ステージングスキルを上げる。
それ以外にも、小規模ファンクラブ運営、演奏Youtubeなどの新ビジネスモデルを提供していき、演奏家の多様な価値を支援したい。
実績を積むことによって、定番のビジネスモデル(1)(2)に再チャレンジするも良し、新ビジネスのトップとなり新しい職業を創るもよし。
演奏家たちの価値は多面性と多様性にあふれています。最適なシーンと出会うことで、承認欲求が満たされ、自身をもって次のステージに進んでほしいと、考えています。
今後、演奏サービスをどう進化させるの?
LiveDeliは「クラシックが上手い演奏家様を派遣」というモデルではなく、「演奏家さん自身が自分を演出し、ユーザーと直接お繋ぎする」、日本初の演奏家マッチングモデルとして、都市圏を中心に成長してきました。
しかし、時代はさらに進み、シェアリングエコノミーとして、個人と個人が安全に直接商売できる仕組みが産まれました。
LiveDeliはこれを「演奏」で実現します。
動画やSNSで個性を表現した演奏家がユーザーに選ばれ、ご自宅や好きな会場で、得意な演奏パフォーマンスをお届けする
多様性の時代だからこそ、ユーザーたちは動画をザッピングすることで、自由に好みの演奏家を選べる
演奏家は、営業活動や金銭授受のわずらわしさから解放され、もっとも価値のある演奏技術やフォーマンスの研鑽に、時間を集中できる
欧州ではEncore(https://encoremusicians.com/)、米国ではGroupemuse(https://www.groupmuse.com/)がシンクロニシティのように生まれました。今、まさに「演奏」がサービス化およびコモディティ化する節目にきたのです。
Artが生活化している欧米とは、まだまだ日本の文化は乖離しています。しかし日常化したデジタルを用いて、演奏家とユーザーの両方が演奏を介して繋がれる環境を世界へ広げていくのが、わたしたちの夢なのです。