オンライン予約を始めて実感した変化
ふだん区役所で窓口業務に関わることもある私ですが、3月からオンラインでの来庁予約を導入し、実感した変化について書いてみました。
変化その①:業務時間外に予約が入るようになった
これまでも来庁の際は電話での予約をお願いしていたのですが、オンラインに変えてから予約時刻も見えるようになりました。案の定というか狙いどおりというか、いつでも予約できるようにしたところ、予約が入っている時間を見ると業務時間外に入ってることのほうが圧倒的に多いです。肌感覚としては4:1で業務時間外。今後オンライン予約ができることが浸透していけば、さらにこの差は広がるかもしれません。
これだけ業務時間外に予約が入っているということは、それだけ我々がこれまで電話で受けていた業務が減ったということ。1日あたりの時間としてはそんなに多くないですが、それだけ業務が効率化できたかなとちょっと嬉しく思っています。そのうち「電話が減ったな~」と感じるレベルになるといいのですが、それは今後の努力次第ですね。
電話でいろんな問合せを受けることも多いのですが、何らかの手続きが必要になったときに「あれとこれとをそろえて、窓口に来てください」と話した後に「オンラインで予約してくださいね」と一言添えることがルーティンになりました。予約して来てくれるということは、職員側にとって大変ありがたいです。誰が来るか判っているし、資料も先に準備しておけるし。そういったメリットを実感しているからこそ、担当者は「予約してね」を忘れずに伝えることができているのでしょうね。
変化その②:来庁者数が天候に左右されにくくなった
これは窓口業務を経験した人からすればあるあるですが、天気が悪い時や寒いときは来庁者が減ります。福祉担当の窓口では天気がいい日で午前11時頃が最も混むタイミング。福祉担当ではありませんが、過去に市民税申告の来庁者データを調査した結果、著しく来庁者が少なかった(=待ち時間が短かった)のは寒い雨の日でした。人間って正直ですね。
こういった生物としての特性に反することになりますが、あらかじめ予約してから来ていただくというスタイルにしたことで、来庁者数が天候に左右されなくなりました。「今日は天気が悪いからやめておきます」というキャンセルの連絡は今のところなく、自分で役所に行く日時を選んで決めた効果でしょうね。
先ほど「天気がいい日で午前11時頃が最も混む」と書きましたが、これに「休み明け」が加わると最強(再凶?)で、当番だけでは処理しきれずヘルプを呼ぶような状態になるのですが、ここも予約で枠が決められているためそういった状況も避けることができていると思います。
変化その③:アポなしの来庁者を待たせることへの罪悪感が減った
今までは来庁者が来たらいつ何時であろうと、他の方の窓口対応をしている時以外は来庁者への対応が優先となっていたのですが、アポなしの来庁者に対しては開口一番「予約していますか?」と聞けるようになりました。
これは職員側からすると心理的にすごくメリットを感じています。いやな言い方になりますが「事前にいつでも予約がとれる体制になっているよね。それなのにアポなしで来庁しているということは、予約者を優先して待たされることになったとしても仕方ないですよね。」と自分に言い聞かせることができるようになりました。
同じ「待たされる」でも、来庁者側は「担当者なんだからすぐに対応できて当然でしょ」というメンタリティから「まあ予約なしで来てしまったから、資料の準備とかでそりゃあ時間がかかるよね」という考え方になるわけで、クレームの芽を摘むことができている可能性がありますね。ここが導入して一番良かったと思える点です。
最後に
幸い、オンライン予約が必要という情報は、私が担当している保育所業務でうまく浸透してくれたようです。オンラインでのやりとりに慣れ親しんている世代だからこそうまくいったのだと思いますが、オンライン予約が必要という情報そのものをきちんと届けることにも労力を惜しんでいません。
最近仕事でもよく「オンライン」という言葉を使っているのですが、それを聞いた同僚から「○○さん(私のこと)、1日何回『オンライン』という言葉を使っているか、一度数えてみたいです」と言われました。職場内で「オンラインといえばこいつだな」というキャラ立ちができつつあるようで、これもジブン株式会社経営の賜物だと実感しています。