AdobeMAX@LAに参加してみた
2018年10月、ロサンゼルスで行われたAdobe MAXに初参加した感想です。「行く前は迷ったり心配したりしたけど、結果、行ってみてめっちゃよかったよー!」 という話。個人的な記録ではありますが、興味ある人の参考になれば。
1)AdobeMAXに参加したきっかけ
2)実は「現地に行かなくてもいいじゃん」と思っていた
3)セッション選びで、自分好みのイベントをつくる
4)フォローが充実。英語苦手でも参加しやすい
5)その他の感想
注1:この記事では「公式発表された新機能や技術」についてはふれていません。それ以外のイベント全体の感想を書いています。
注2:長文になってしまった!ので、適当に読み飛ばしてください。。
1)AdobeMAXに参加したきっかけ
● 日本のAdobe MAXに参加して、アメリカ版に興味がわいた
Adobeという会社の勢いを感じたのと、本家は桁違いの規模感だと知って、日本版とはまた違う話を聞いてみたいと思ったから。同じツールを使っている英語圏の人が何を考え/悩んでるのか知りたかった。
● 海外カンファレンスに参加して、刺激を受けたいと思った
これまでも2年に1度くらいのペースで海外カンファレンスに(会社の出張として)参加させてもらっていて、次の行き先を探していたから。ちなみに過去に参加したのは eyeo Festival と AIGA Design Conferenceでした。
2)実は「現地に行かなくてもいいじゃん」と思ってた
いきなりですが最初は参加するかどうか結構迷いました。ストリーミング配信もビデオ配信もあるし、新機能はすぐ記事が出るし、インフルエンサーのリアルタイム実況もあるので、もはやタイムラグもほぼない。「わざわざ自分が行って、なにか持ち帰れることがあるんだろうか?」とちょっと心配してたんですが、結論としてそれは杞憂でした。
情報はあとから絶対アクセスできるという安心感がある
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まずはともかく情報を残しておかなきゃ!という焦りがなくなる
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見聞きしたものを素直に受け止め、考える余裕が生まれる
がんばって記憶や記録に残そうとしなかった分、見聞きしたものを偏りなく評価できたような気すらしました。現地で直接、自分の身体で刺激を受けることができたのは大きかったです。やっぱり、日本で記事を読むだけだと、そこまで深く考えなかったんじゃないかと思うので。
3)セッション選びで、自分好みのイベントをつくる
AdobeMAXのセッションにはいくつかの種類に分かれています。
■ Conference Event
全体向けのメインイベント。Adobeの今後の方針や新機能紹介が聞けるKeynote、開発中のすごい機能がお披露目されてお祭り騒ぎのMAX Sneaks、飲んで食べてライブや交流を楽しむMAX Bashの3種類がありました。これらに参加するだけでかなりお腹いっぱいというか、未来がどうなるのかの想像が頭の中でとまらなくなる感じです。Sneaksはほんとにやばかった。(ちなみに、KeynoteとSneaksは日本語同時通訳レシーバーを借りることができました)
■ Session
スピーカーによるプレゼンとQ&A。Adobe製品の使い方だけでなく、クリエイティブ業界に関連する様々なトピックを扱う。著名なクリエイターの話を聞くセッションや、企業のサービス宣伝みたいなものまであり、玉石混交という感じ。
■ Lab
用意されたPC&データを使って、Adobe製品をハンズオンで学べる。BYODLab(Bring Your Own Device)という自分のPCやタブレット端末で行うタイプのLabもありました。
3日のうち約1日は Conference Event で固定ですが、残りは各自で気になるSessionとLabを予約してスケジュールをつくる仕組み。なので、組み立て方次第でイベント全体の印象がかなり変わります。
わたしは当初、Session を中心に参加する予定をたててました。Adobeツールの使い方に関する情報は日本でも得られるし、カンファレンスに参加しなければ知らなかったであろう人や事例を知りたいと考えたから。
ただ、終わってみると Lab がもうちょっと多めで良かったなーと思います。Session は前述の通り結構当たり外れがあって、開始10分くらいで「あれ……想像してたのとなんか違う……」となることも。また、スライド使わずひたすら英語のフリートークが続くとなるほどわからん、となるので、ハンドアウトがもらえて画面操作を追いかければよい Lab のほうが安定的に理解ができました。
難点としては、Labは人数が限られているため予約が埋まるのが早いこと。事前予約できなくても当日並んで空席があれば入れるのですが、それにしばらく気づかず、もっと早く作戦変更すればよかったなあと後悔しました。書体を愛用している大好きな書体デザイナーさんのレタリングワークショップ、満席で泣く泣く諦めたんだけど、粘っておけばよかった。。
4)フォローが充実。英語苦手でも参加しやすい
● 動画配信が多い&早い
メインのKeynoteプレゼンや一部のSessionは MAX Online でみることができます。Sneaksは上がらないのかなと思ってたらYoutubeのほうにありました。誰でも無料で見られる上、会期中に終わったセッションの動画がどんどんアップされるようなスピード感。セッション予約画面からスライドPDFや関連データをダウンロードすることもできます(これは参加者のみ)。
● 手話通訳があった
これ実は今回いちばん印象に残ったかも。聴覚障害のある方が参加するセッションでは、最前列に予約席が設けられ、手話通訳者が待機しているという手厚いサポートぶり。会期中あちこちで車椅子の参加者を見かけました。
● リアルタイムでテロップが出てた
会場前方に大型のディスプレイが設置され、発話内容がリアルタイムで文字になって流されていました。手話通訳者と違ってほぼすべてのセッションに設置されていたので、動画テロップ用なのかな?? 音声入力かと思ったんですがまったく翻訳ミスがみられず、[Laughter](会場笑)や[Applause](拍手)なども出てきたので、別室で音声を聞きながら入力してる人がいるんじゃないかな?と思うんですがどうなんだろう……。
これ、英語が聞き取れないときにテキストで追えるのでめちゃくちゃありがたかったです。なるべくこのディスプレイがみえる席を陣取ってました。
5)その他の感想
日本人参加者と交流できた!
他の参加者とFacebookなどでつながることができ、現地で食事をご一緒して情報交換ができました。過去のMAXと比べてどうだったか、とかもお聞きできてめっちゃ参考になりました。贅沢すぎる時間だった……。
これまで参加したカンファレンスは日本人がとても少ない or 自分たちだけという環境だったこともあり、交流イベントなどがない限りはホテルに直帰していたので、今回はカンファレンス後の夜の時間も刺激的でよかったです。まあ、夜遅くまで飲んだあとの、朝8時からの Lab はしんどかったけど笑。
“Adobeの人” が話すセッション
セッションを予約するとき、Adobeのスピーカーさんがほんとに多かったので、白状すると最初はもっと画一的なのかなとか思ってました。でも実際は自分の担当している技術や業界が大好きなんだなという人も多く、名物スピーカーのインパクトも味わえ、 Adobeという会社に対するイメージがかなり変わりました。Jason Levineさんのプレゼンは一度見たら忘れられません。登場しただけで拍手起きたからなにかと思ったら。
容赦なき途中退席
Session の当たり外れがあるということに関連するんですが、途中でさっさと退席するひとがかなり多かったです。一番すごいときで開始30分以内に半分になったことも。まあ同時間帯にこれだけたくさんのセッションが並列してたらそうなりますよね。スピーカーさん辛くないかなーと胸が痛くなりつつも、わたしもつられてイマイチなときは見切りをつけてました。
日本人による初のセッション
そんな状況のなか、アジアからはじめて登壇された "Japanese Master" 鷹野雅弘さんのセッションが大好評で、終了後に挨拶の列ができるほどだったとのこと。実際、AdobeMAXのセッションを聞くことで「日本のイベントって登壇する人の話の内容も見せ方もかなりレベル高いんだな」と感じていたので、嬉しかったです。
話題のおみやげ
以前はカメラ(!)やタブレット(!!)などが参加者全員にサプライズプレゼントされるという超大盤振る舞いだったらしいのですが、今年はサプライズ無しで、パーカーのみでした。ちょっと残念。ただ、会場が冷房効きすぎて凍えそうに寒く、このパーカーでしのいでいる人がめちゃくちゃ多かったのである意味もっともありがたいノベルティ。
自分を「日常」から引き離す
海外カンファレンスに参加するためには、準備も含めてまとまった時間が必要になります。プロジェクトが重なっているとなかなか踏み切れないこともあるのですが、定期的に自分自身を「日々の仕事からちょっと離れたところ」に置くのっていいな、と改めて感じました。
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ということで長くなりましたが参加した感想でした。1週間カンヅメになってよかったです。日本でも動画が見れるといっても、コツコツ積み重ねて同じ量のインプットをするのは不可能だっただろうと思います。おかげで刺激を受けたテンションをそのままに、新しいことをはじめられそう。たとえば、なにか書いてみたいなーと思ってアカウント取得したまま放置してた、noteに記事を投稿をしてみるとかね。
現地の様子に興味がある方の参考になれば!
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