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Weezer/Say It Ain't So

「嘘だと言ってよ!」

今回レビューするのはWeezerの"Say It Ain't So"だ。

1994年、デビューアルバム"Weezer"(Blue Album)の一曲としてリリースされ、シングルカットもされた屈指の人気曲だ。
それでは早速見ていこう。

歌詞に描き出された心の傷

この曲の歌詞はリードシンガー、リヴァース・クオモの実体験が元となっている。
彼は幼い頃、実の父親と生き別れている。
というのもアルコール中毒が原因で、家を出て行ったのだとか。
そのため、歌詞の中には実在するビール、ハイネケンが登場する。
冷蔵庫の中に、ハイネケンを見つけたリヴァース少年。
その時に何を思ったのだろうか…。
考えるだけで胸が締め付けられる心地だ。

シンプルなバンドサウンド

Weezerの特徴に、シンプルなバンドサウンド(ギターはバリバリに歪ませているが)で叙情的なメロディを歌うというものがあるが、この曲はそれを踏襲した白眉の出来だ。
一時「泣き虫ロック」として人気を集めた理由がわかる。

小ネタ(蛇足)

Weezerの故郷はアメリカだが、アメリカの国民的娯楽スポーツの一つにMLB(メジャーリーグベースボール)がある。
1919年、そんな黎明期のリーグに激震が走った。
八百長事件である。
ワールドシリーズにて、優勢予想のシカゴ・ホワイトソックスが3勝5敗でシンシナシティ・レッズに敗退。
シリーズ前ごろから噂されていた八百長が現実味を帯び、地元新聞が暴露記事を掲載。
これにより主力選手8人が刑事告訴された。

当時のホワイトソックスの選手たち。

経緯をかいつまむと、オーナーがケチで、様々な場面で支障が出ていたというのが一番の理由だったのだが、裁判が行われた際に、とある選手がメジャー史上でも語り草となるフレーズを少年ファンからぶつけられたのだという。

ユニフォームは自腹、靴下も洗濯してもらえずに真っ黒(ブラックソックスと揶揄されていた)。さらには給料もかなり低かったという。

そう、「嘘だと言ってよ!("Say It Ain't So)」と。
ちなみにこのフレーズは不祥事がMLBで起こった際に見出しとしてよく使われる定型文なのだという。


個人的感想

まごうことなき名曲ですよね。
僕は"Lithium"(ニルヴァーナ)とかよりこの曲が好みです。
結構ニルヴァーナも好きなんですけどね。
90年代オルタナはやっぱりすごい。

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