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地域ロイヤルティの新基準『rNPS』って何???
私は、東京都立産業技術大学院大学スタートアップ・アクセラレーター研究所の研究員として、研究活動を行っています。
このたび、事業部長として参画しているマーキットワン株式会社に自分の研究を取り上げていただいて、プレス発表いたしましたので、noteをご覧の皆様にもその内容をお知らせします。
NPSとは何か
NPS(Net Promoter Score)は、顧客が商品やサービスを友人や家族に推薦する意欲を0~10点で評価し、その結果を基に顧客の満足度を測定する手法です。NPSは、推奨者、批判者、中立者という3つのセグメントに分けられ、推奨者の割合から批判者の割合を引くことで算出されます。
この手法は、顧客の将来的な購買行動を予測しやすく、企業のマーケティング戦略や改善策の立案に役立つとされています。
檜原村でのNPS活用
本研究では、檜原村を対象にNPSを利用したアンケート調査を実施し、地域住民の推奨度を測定・分析しました。調査は村内在住者および観光関連事業所のスタッフや観光客を対象に行いました。
その結果、観光地「払沢の滝」が最も高い推奨度を示しました。一方で「移住」に関する推奨度は最も低い結果となりました。
また、木育関連の施設である「檜原 森のおもちゃ美術館」は比較的高い推奨度を示したものの、村内在住者への認知度が低いことが示唆されました。
新たな指標「rNPS」の提案
さらに、回答者からのコメント分析より、NPSを基にした新たな指標「rNPS(Regional Net Promoter Score)」を提案しました。
これはNPSの6点を中立者に分類することで、地域特有の評価傾向に対応した指標です。
檜原村のデータをrNPSに適用すると、NPSに比べて地域のポジティブな評価がより反映される結果となりました。例えば、観光地のrNPSは6.1となり、移住に関するrNPSは-52.2という結果でした。
研究の意義と今後の展望
本研究は、地域住民のロイヤルティを簡易に測定・比較できる新たな手法を提供し、地方自治体の地域力向上策の検討に資するものです。
特に、rNPSはNPSと比較して日本の地方自治体にも受け入れやすい指標であり、今後の地域ロイヤルティ、『地域愛』の測定において有効であると考えられます。
ただし、全国的にrNPSを普及させるには、更なる検証と調査が必要です。今後の研究では、他の地域でもrNPSを適用し、その有効性と信頼性を確認することが求められます。
地域研究のパートナーを募集
今回はこの新指標の可能性を広げるべく、調査結果の公表及び共同で調査を実施するパートナーとなる地方自治体を募集いたします。
各自治体においては、地方創生に関連して様々な取り組みがなされていますが、その効果測定はなかなかできておりません。
rNPSは「あなたは○○(自治体名)外に住んでいる知人に、〇〇(自治体名)を訪れることをどのくらい勧めますか?」という、究極の質問です。
この結果を各種施策の前後や年に1回定期的に測定することで、地域住民の地域愛の度合いが測定可能となります。
ご興味のある自治体関係者および研究者の方はお気軽にお問い合わせください。
研究の詳細や論文はこちらからダウンロードできます。
以上、今回は檜原村でのNPSを活用した地域ロイヤルティ指標の研究についてご紹介しました。今後も地域の魅力を引き出すための研究を続けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
読んでいただけたら、「スキ」やフォローをよろしくお願いします。これからも、皆さまにとって役立つ情報を発信していきますので、お楽しみに!
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![北山幹夫@強み発見・未来実現コンサルタント](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/34174363/profile_c7002955573ecd1072aff3c4fe4b789c.jpg?width=600&crop=1:1,smart)