見出し画像

実務(産業)翻訳は苦手

先月初めにTranslatorsCafe.com経由で誘われた翻訳会社のトライアルを先月後半に提出したのですが、大抵の翻訳会社同様にこの会社も実務翻訳がメインでした。

トライアルの内容を見て「ヤバい、これは自分に合わないぞ」と感じながらも、指示通りの作業を行って提出しました。もちろん、予想通り不合格(苦笑)。トライアルの場合、フィードバックがないのがほとんどで、何が悪かったのかはまったく分かりません。

ところが、4年前に登録したヨーロッパの翻訳会社は、ホームページ作制AIツールのローカライゼーションに始まって、女性向け官能短編小説、大手IT企業のマーケティング素材、赤外線温度計やSafety Devicesのマニュアル、アパレルの広告宣伝素材などなど、大胆に、かつ節操なくオーダーしてきます(笑)。

この翻訳会社のプロジェクト・マネージャーやランゲージ・アシスタントはみなフレンドリーで、コミュニケーションも気楽に取れます。そんな彼らのおかげでいろいろ面白い経験ができているのですが、実はTM-Townという翻訳者サイト経由で突然連絡してきたのが彼らとの付き合いの始まりでした。

私の場合、負けん気が強いせいで、未知の分野でも必死にリサーチして最適な日本語の言い回しを探して翻訳するので、彼らのクライアントには概ね好評のようです。そうじゃなきゃ、継続的に同じクライアントの翻訳依頼が来るわけがありません。

しかーし、実務翻訳が主力商品の翻訳会社のトライアルは、それが先方からのお誘いでも、こちらからの応募でも、ほとんどが惨敗。大体、トライアルの文章を見た瞬間に「なに、このつまんない文章?」とか思ってしまうあたり、もう、私、実務翻訳の能力なし子確定ですよね(汗)。

音楽雑誌の取材通訳と記事翻訳をメインでキャリアの四半世紀を過ごしてしまったツケが、こんなところで出ています。自然とTranscreation能力を鍛えてしまったようで、それがここに来て実務翻訳の邪魔になっているようなのです。

とは言え、実務翻訳には分野がたくさんあるので、苦手なビジネス文書は避けて、マーケティングやマニュアルの翻訳に特化すれば良いことに気付きました。マニュアルなら、死ぬほどリサーチすれば、未知の分野でも何とかなるものです。

あと、実務翻訳メインの翻訳会社の傾向としては、連絡メールの文面がけっこう丁寧なことです。いわゆる定型文な感じ。たぶん、そういうattitudeも私とは相容れないのでしょう。互いに確固とした責任感は持ちつつも、フレンドリーに楽しく仕事できる人じゃなきゃ、仕事自体がつまらないですからね!

それにしても、実務翻訳をメインでやっている人たちって、どんな翻訳文を書くのかしら? ちょっと興味津々です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?