どうやって、海外の転職先を見つけるの?
私は今、パリでキャリアアップのために次の転職先を探している。場所はパリ、ロンドン、イタリア、ニューヨーク。次のステップアップに繋がる、自分にとって本当に良い転職先が見つかれば場所はどこでも良い。
( 厳密に言えば「どこでも良い」訳ではないが、その話はまた別の機会に。)
私の専門分野はファッションデザインだ。
↓このお話の前置きです。こちらも合わせてどうぞ。
私が転職先を見つける時には通常、以下の方法で探し始める。
1、「LinkedIn」で必要な情報や連絡先を探し、実際に連絡を取ってみる。
2、ヘッドハンターと連絡を取りあう。
3、業界の友人や知り合いを誘ってお茶やご飯に行く。
1、「LinkedIn」で必要な情報や連絡先を探し、実際に連絡を取ってみる。
日本人の友人たちと話していると、よく「LinkedIn」のことを聞かれる。「これ、どうなの?」と。
私がLinkedInに登録したのは確かバレンシアガを退社した12、3年前、元同僚のクリスティーナからの勧めだったと思うが、海外の企業に勤めているのであれば、このSNSはとても便利である。
自分が行きたい会社の人事や関係者の名前を調べて、その人に履歴書を直接送ったりする。返事が全く来ないことも多いが、彼らがたまたまデザイナーを探していたりすると返事をもらうこともある。
世界中のファッションリクルーター(ヘッドハンター)からも連絡が来るようになる。彼らは優秀な人材をいつも探している。だから、LinkedInに登録して、自分の存在を世に知らせるのは悪くないことだと思う。
逆に、私自身が会社でチームメンバーに欠員が出て、新しいデザイナーを探す時には、人事に任せっきりにするだけではなく、このSNSで気になる人材を調べて、自ら直接連絡を取ってみたりすることも結構ある。
2、ヘッドハンターと連絡を取りあう。
一度連絡を取り合ったり、面接をしたヘッドハンターとは転職先が決まった後でもマメに連絡を取る。アップデートした履歴書を定期的に送ったり、定期的に面接を申し込んで、自分のポートフォリオを見せてコメントをもらったりする。
会社を辞めたくなったら、その時点でメールしてその旨を伝える。会社を辞めないうちに次の仕事が決まったらそれがベストだからだ。
私のように、次に行く会社が見つからないうちに、会社を辞めてしまうのは本当にリスキーなのでオススメしない。ヘッドハンターも、常に「今が旬」のクリエーターを探しているので、一旦会社を辞めてしまうとあなたは途端に「旬」ではなくなる。
あなたがその国の永住権を持っていなかったら、会社を辞めた途端に就労ビザの問題が出てくるかもしれない。
出来ることなら、会社を辞めないうちに転職先を見つけることを強くお薦めする。
3、業界の友人や知り合いを誘ってお茶やご飯に行く。
業界の友人たちは、会社でいろいろな噂を聞いている。人事異動のこととか、最近ブランドの業績が悪いとか、上層部が新しいデザイナーを探しているとか。
また、私が仕事を探しているということがわかると、面倒見の良い友人たちは色々な情報を教えてくれる。ここに履歴書送ったらいいんじゃないかとか、まあ、それが必ずしもいつも正しくて、直接的に転職に繋がる訳ではないのだが、でもヒントになる情報はたくさんある。
でも、彼らも「超」忙しい人達で単純に時間が作れないし、また彼らは「超」スノッブなので、私の誘いなどに目もくれない人も少なくはなく、「無視」されることも非常に多い。
まあ、それはそういう業界なので気にせず、忍耐強く、彼らの返事を待つ、そして忘れた頃にまた連絡してみる、のがコツである。
私はいわゆる「パリピ」ではないので、業界人が集まったパーティーやイベントにはあまり顔を出さない。というか、仕事が忙しすぎて、みなさんがパーティーに行っている時間は、残念ながら私は会社に残って残業している。
パーティー好きな方には、それを通してネットワークを広げるのも、きっと悪くはないのではないだろうか。
ちなみに、私はあまり「求人広告」のようなものは見ない。他の業種の求人にはきっと有益な広告もあるに違いないが、ファッションデザイナーという職業は人気の職業なので、特に人気のあるブランドは広告を出さなくても常に口コミで良い人材が集まってくる。
特に人気のブランドは、デザインチームのあの人が辞めるという噂が広まれば、「チャンス!次は私がそのポジションに入る!」とばかりにみんなそのポジションを狙ってくる。
また、ブランドがデザインの方向転換を図りたいとき、今いるデザイナーと会社が「お別れをする」ことがよくある。この「お別れ」が実行されるまではこの話は「社外秘」、いや、社内でもごくわずかな人しか知らない情報なので、代わりのデザイナーを探すために無論、求人広告など出すはずがない。
新しい仕事を見つけるにも、常にアンテナを張り巡らせ、「耳をダンボ」にしていかないと、なかなかチャンスが巡ってこないのである。