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【アーユルヴェーダ】歴史と哲学


アーユルヴェーダDr.Vasant Lad(バサンド・ラッド)の著書
Ayurveda, the Science of Self-healing: a Practical Guide : Science of Self-healing  
を読んでいます。


アーユルヴェーダには科学だけでなく、宗教や哲学も含まれているそうです。

宗教という言葉は、人生のあらゆる側面で知覚の扉が開かれる存在の状態に役立つ信念や規律を示すために使われる。アーユルヴェーダでは、人生の旅全体が神聖なものと考えられている。

哲学という言葉は、真実への愛を指す。アーユルヴェーダにおいて真実は、存在、純粋な存在、全ての生命の源である。

アーユルヴェーダは、人生に表現される真実の科学である。

全てのアーユルヴェーダの文献は、サーンキャ哲学に基づいているそうです。

サーンキャ(Samkhya)の語源はサンスクリット語のSat:真実 khya:知ること

サーンキャ哲学はアーユルヴェーダと密接な繋がりがあるため、アーユルヴェーダ書籍の読者はサーンキャ哲学に対して開かれた精神と心を養うことが求められると。

リシ(rishis)という古代インドの賢者たちが、宗教的な実践と訓練によって真実を感得し、それらが記されている聖典を、ヴェーダ(Veda)という。
ヴェーダは知識を意味する。
4つの文献から成るサンヒターという文献を、狭義のヴェーダと呼ぶことが多い。

・サンヒターを構成する4つの文献
『リグ・ヴェーダ』(讃歌)
『サーマ・ヴェーダ』(歌詠)
『ヤジュル・ヴェーダ』(祭詞)
『アタルヴァ・ヴェーダ』(呪詞)

インド哲学は、ヴェーダ聖典の権威を認める正統派と、認めない異端派の2つに分けられる。
正統派には、6つの学派があり六派哲学(ダルシャナ darsana)と呼ばれ、サーンキャ哲学はその内のひとつだそうです。

リシ達は、すべての存在の源は、宇宙意識である男性と女性のエネルギー(シヴァ Shivaとシャクティ Shakti)として現れることを悟った。

プルシャ Purusha は男性的なエネルギーで、プラクリティ Prakruti は女性的なエネルギー。

プルシャは形も色もなく、属性も超越しており、宇宙の顕現に積極的な役割を果たさない。このエネルギーは選択の余地がなく、受動的な意識。

サーンキヤの創造哲学を悟ったリシ・カピラ(サーンキャ学派の開祖と言われている)は、基本的なプラクリティつまり創造性の24の原理または要素を発見した。

プラクリティの24要素とプルシャ。25コの要素で世界を説明しているので、この25コを理解すれば世界を正しく知ることができるという考えだそうです。

プラクリティには形、色、属性があり、それは選択を伴う。神の意志であり、多数になることを望む。宇宙は、神聖なる母の子宮であるプラクリティから生まれた。
プラクリティは宇宙の中ですべての形を創造し、プルシャはこの創造の証人。
プラクリティは、すべての自然、進化する宇宙に存在する 3 つの属性つまりGunas グナを含む原始的な物理的エネルギー。

3 つのグナとは
サットヴァ (純粋):安定性、純粋な側面、本質と光を目覚めさせるもの
・ラージャス (激動):動的な動き
・タマス (怠惰)
:静的、潜在的なエネルギーの慣性。
これら 3 つはすべての存在の基盤で、プラクリティにバランスよく含まれているが、このバランスが崩れるとグナの相互作用が生じ、宇宙の進化が生まれる。

つまり、世界は創造主により創られたのではなく、プルシャとプラクリティという2つの原理が出会ったことにより、プラクリティのグナのバランスが崩れたことが起源とされている。なので、サーンキャ哲学は無神論と言われることもあるようです。

プラクリティから最初に現れるのはマハット mahat(宇宙の知性)
マハットからアハンカーラ ahamkara (自我、自他を分ける個人の心) が形成される。
アハンカーラ(自我)は次に、サットヴァの助けを借りて、5 つの感覚 対象(パンチャタンマートラ)5 つの運動器官(カルマインドリア)に現れ、有機的な宇宙を創造する。
同じ自我がさらにタマスの助けを借りて 5 つの基本要素 (パンチャマハブータ) に現れ、無機的な宇宙を創造する。

ラージャスは、有機的な宇宙と無機的な宇宙の両方をそれぞれサットヴァとタマスに動かす体内の活動的な生命力。したがって、サットヴァとタマスは、ラージャスの活動的な運動力を必要とする、非活動的な潜在的エネルギー。
サットヴァ創造 (ブラフマー Brahman) :A
ラージャス保護(ヴィシュヌ Vishnu) :U
タマス破壊(シヴァ Shiva)  :M
これらは、オーム(AUM)という神聖な音節、無音の音 とも関連している。

最初の生命科学と言われているアーユルヴェーダは、インドで広く実践されている総合的な医療システム。
アーユルヴェーダという言葉は、サンスクリット語で
Ayur :「生命」または「日常生活」
Veda :「知ること」
「生命の科学」を意味する。
アーユルヴェーダは、現存する世界最古の文献であるヴェーダに初めて記録され、この治癒システムは、インドで 5,000 年以上にわたって日常生活で実践されてきている。


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