看取りはどこで(母の難病#14)
【10月24〜31日】
大学病院からかかりつけのA病院に転院した母。主治医に宣告残された命はあと2か月ほどだ。
この2か月をどこで過ごすか、本格的に決めなければならない。
選択肢は3つ。
①在宅
②療養型の病院
③介護施設
結果からいうと、介護施設を選んだ。
早々に選択肢から除外されたのは①の在宅だ。
すでに実家を売却している母には自宅がないため、在宅を選ぶとするなら私の自宅になる。
自宅を選ばない理由はいくつかあった。
・夫側の家族の中にも病気を抱えケアされる方がいるため、自分の自宅は中立的な立ち位置にしたかった。
・夫と中高生の娘たちとの生活も守りたかった。
・妹はケアされる対象のため、姉妹で介護の分担が見込めない。
・ヤコブ病は5類感染症のため、血液や下の世話などに気をつけなければならず、医師から在宅はあまりおすすめできない、と意見をもらった。
そうなると、病院か介護施設の二択だ。
ここで、かかりつけのA病院の地域連携スタッフさんから早速電話が入る。
内容をまとめると、
・療養型の病院の候補は2つあるが、どちらも受け入れまでに3週間要する。
(この時点で、病院は除外されたw)
・療養型の病院は医療面のサポートの心配はないが、面会時間や人数にどうしても限りがある。
・長女さん(私)の自宅から車で10分かからないところに、1つ医療特化型の住宅型介護施設があり、そこは1週間ほどで入所が可能ということ。
・開設して4年ほどなので建物は綺麗、24時間面会OK、人数制限もない。
ということだった。
早速その施設に電話をし、翌日妹と一緒に見学に行き、その場で入所の意思を伝えた。
決め手は面会条件の良さもあったが、スタッフさんがみな若く、ハツラツとしていて、生き生きと仕事をしている様子が心地良かったからだ。ホスピスの役割を担っている印象の施設だが、暗い印象はない。むしろそのスタッフの方々の快活さが明るい印象を与えている。ここは救急の現場か?と思うような機敏さが少しだけ忙しなさを感じさせるが、総じてここを選ばない理由が見当たらなかった。
費用は予算内だったし、もうあと数ヶ月のことと思えば問題なかった。
そんなわけで、全く面会できないA病院からの退院は、めでたく目処がたった。
難点は、部屋にベッドしかないことだった。棚や面会者用の椅子は、自分たちで揃えなければならない。裏を返せば、部屋を自分たちが過ごしやすいようにカスタマイズできる。ソファーベッドも搬入可能だ。
転院を待つ間にそれら必要なものを精選し、あちこち買い物に勤しんでいた。