久しぶりに田舎に行ったら飛行機雲が見えた話
電車で揺られること40分。
私が住んでいる都心から、少し離れた田舎町に来た。
ただただ、だだっ広い道路と舗装されているとは言い難い歩道を歩き、歩いている私の横をギリギリに通り過ぎる車横目にイヤフォンで音楽を聴く。
今日の相棒は、ハロプロのこぶしファクトリーというグループの曲だ。たまに聴きたくなる。
できたら私はこの街には来たくない。あまりいい思い出がないからだ。
正直、できれば来たくない田舎町である。
そんなこと言っても仕方ないよな〜と思いつつも、目的の場所に向かう足取りは重くて、気分はブルーどころではない。真っ青だ。
しかしこの街は本当に何もないなあと思いながら歩いていると、目の前に咥えタバコをしたオッチャンがガーデニングをしていた。
イカつい見た目なのにガーデニングか。と、妙なギャップにキュンときてしまった。
「来たくなかったけど、たまに来るといいこともあるのかも」なんて、めちゃくちゃ単純明快な思考回路の中でふと空を見上げると雲ひとつない青い空が広がっていた。
都心だとビルばかりで空なんて埋もれてしまってみえないけど、こちらに来るとすごく綺麗に見えるんだな。
私はなんだか嬉しくなり、そこから空ばかり見ていた。綺麗だった。
そこから20分ほどまた歩いていると、一本の綺麗な飛行機雲が見えた。真っ白で真っ直ぐな綺麗な飛行機雲。
飛行機雲なんて見るのいつぶりだろうと懐かしさを覚え、幼少期はよく見えていたものが大人になってから見えなくなった寂しさを感じた。
高層ビルが立ち並ぶ都心もいいけど、たまには子ども心に帰ることのできる街も悪くないって思えた。
そんな水曜日だった。
たまには都会から離れて、こういう体験もいいよね