大自然の中、静かに佇み見守ってきた「河内神社」と美しい楓の大樹
朽ちて行く民家、人が住まなくなった大田原の地で、大樹と共に見守ってきた「河内神社」
こんにちは、orange です。今回は、山口県周南市中須北の大田原地区に行って来ました。大自然の景色、そしてそこに鎮座する「河内神社」。
周南市在中の方なら、もしかして一度は「大田原自然の家」で宿泊体験学習をしたことがあるかもしれません。思い出せる方は、あの場所かと思い出してみて下さい(笑)
山林に囲まれた狭く小さな道を進んで行くと、少し開けた場所に着きます。そこに、赤く染まった楓(かえで)の美しい景色に出合います。
では、写真と共に私と散策している気分で見てみて下さい!
大田原地区へは、須金に向う途中から山の方へと入って行きます。看板がありますので、そのまま進んで見ましょう!
「えっ、これで開けた場所なの?」と思う方もおられそうですが、開けた場所です(笑) ここに来るまでの道は、山深い場所を、前から車が来たらどうしよう、と思いながら来た道です。
大田原地区では過疎化が進み、朽ちた家が結構あります。そして、今は紅葉の時期なので、綺麗ですね。
このモミジが見たかったのです。だいぶん葉が落ちてきましたが、それもまた風情があり、モミジの後ろ側にある「河内神社」を隠しているようです。
では、河内神社へと行って見ましょう!
先ほどの大きな楓の木の場所には渡る橋がありましたが、朽ちているので決して渡らないで下さい。神社へと行く道がありますので、少しだけ遠回りして下さいね。
日の光を浴びて、とても神々しいです。私は、神社仏閣巡りをたまにしていますが、そこにある大樹に出合うのも楽しみの一つです。
いつから、誰が、どれだけの人がこの木と共に歩んで来たのか、見上げたり触ったりしながら木のパワーをもらっています。
狛犬の前を通る時は、いつも「おじゃまします」と言って通っています。では、「おじゃまします。撮らせて下さいね」
一の鳥居、二の鳥居とあり、後ろに「河内神社」の社殿があります。
創建や由緒は分かりませんが、だいぶん傷んでいます。人が減少した地区なので、仕方ないのかなぁ。
「中須・大田原小学校百年史」には、この宮では明治初期まで「虫送り」の行事が行われていたそうです。
7月の田植が終ると、部落の人が総出で藁(わら)を持ちより、大きな乗馬姿の武者人形をつくり神事を行っていたそうです。武者人形を部落の青年達が中須南から今の下松市米川、花岡と持ち歩き、この途中の農民達が稲の害虫を捕まえてこの馬の腹の中に入れ、最後に下松の海に投げ入れる、「害虫退治」の神事だったそうです。
とても長い距離を歩いたんですね。でも、みんな楽しみだったと思います。
本殿の周りには、見守るように大樹が大きく育っています。どれほどの年月が経てば、これだけの木が育つのか。木が神木となり崇められるのは、とてもよく分かります。
あとがき
秋の紅葉と共に、大自然の中に佇む「河内神社」をご紹介致しました。楓がとても綺麗でした。そして木の生命力の強さに感動しました。
景色とは、人と共に自然がつくり、後世にまで受け継がれて行くものだと思います。今の自分達に出来るのは、見守るために、そこにあることを知り、伝えることだと思います。
このままでは失われてしまう景色かもしれませんが、どうかこの美しい紅葉と佇む神社が、後の人達にも楽しんでいける場所であってほしいと思いました。
河内神社