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私の思う訪問リハビリの困ったところ。
私が思う訪問リハビリの「困ったところ」と感じる点について
昨日は、訪問リハビリの良いところについてお話ししました。
今回は「嫌だな」と感じる部分について考えたいと思います。
1. モンスターペイシェントへの対応
訪問リハビリは基本的に1人で利用者宅へ伺います。そのため、いわゆる「モンスターペイシェント」と出会った場合、非常に厄介です。
病院であればその場を離れたり、医師や看護師に相談できますが、訪問リハビリではそれができません。私も医療者なので認知症や高次脳機能障害による行動は理解できます。しかし、単に機嫌が悪いという理由で「帰れ」「来るな」と言われることもあります。(仕事なので、割り切るようにしていますが。)
また、非常に稀ですが、セクハラを行う利用者も存在します。「寝たきりでどこにも行けん。かわいそうだろ。退屈だからこのくらい付き合ってくれても良いだろう。」と言うのが、その方の理屈だそうです。利用者宅という閉じられた空間でこのような対応をするのは、精神的に大きな負担です。
2. 予定の時間に患者さんがいない
訪問時に患者さんが不在のケースが時々あります。
もちろん、体調不良でキャンセルすることは仕方ありません。しかし、キャンセル料がないことを良いことに、ごく稀ですが、買い物や子どもの家へ行ってしまうケースもあります。
こちらも仕方ありませんが、認知機能の低下により、約束の日にちや時間を忘れて外出してしまう方もいらっしゃいます。
訪問時に不在だと、リハビリ時間の損失だけでなく、往復時間やカルテの準備時間も含め、約2時間が無駄になります。例えば、片道30分かけて訪問し、40分リハビリを行う予定だった場合、カルテなどの確認を含めると無駄になる時間は約2時間程度です。
事務所によってはキャンセル料を取っているところもあるようですが、私たちは取っていません。故意に不在にする人、本当に迷惑なのでやめて頂きたいです。
3. やる気のない利用者が多い
急性期病院や回復期病院では、入院期間が限られていたり「絶対に家に帰りたい。」など目標があることが多いため、意欲的な患者さんが多いです。しかし、訪問リハビリでは「無料だから」「安いから」という理由でリハビリを受けている方もいます。
このような方々は、やる気ぐ無くす改善が見込めず、むしろ全く動いたりしないので徐々に状態が悪化していきます。一人暮らしで外出できないような方だと、「来てくれるだけで良い」と言うような方もいらっしゃいます。
正直、やる気のない方にリハビリを提供するのは、私自身は避けたいと感じます。もしマッサージを希望するのであれば、実費で「てもみん」や「出張マッサージ」などのサービスを受けるべきだと考えます。医療費や介護保険料を負担している以上、リハビリは適切に活用してほしいと思ってしまいます。
(もちろん、やる気のある方もたくさんいらっしゃいます。ただ、急性期や回復期病院と比べた場合とかなら、やる気のない方の割合が多いと言うことです。)
4. 職場での学びの質が高くない
これは私の現在の職場ならではかもしれませんが、勉強会や症例検討、研修がほとんどありません。学会発表も基本的に行わないため、病院で行っていたような、切磋琢磨しながら知識や技術を高める機会が少ないです。
同僚とこのような話をすると、「介護だから仕方ない」「サービスだから利用者の言う通りにすれば良い」という意見のようです。
私は「人生をより良くするリハビリ」がしたいと考えています。そのため、知識や技術を向上させ、利用者に寄り添い、より良い未来を一緒に作りたいと思っています。
5. 緊急時の対応を1人で行わなければならない
訪問リハビリ中に利用者が嘔吐したり、急な体調不良になることがあります。一度ですが、訪問に伺ったら亡くなっていると言うこともありました。
病院なら看護師や医師にすぐに助けを求められますが、訪問リハビリでは自分1人で判断しなければなりません。訪問看護師に連絡するのか、救急車を呼ぶのか、経過観察するかなど、冷静な判断が求められます。
まとめ
訪問リハビリの私の思う嫌な部分を考えてみました。
そこで、改めて「リハビリが好きだ」という気持ちに気づきました。大変でも、利用者様や患者様と共に人生をより良くしたいという思いがあります。
改善できない部分もありますが、自分自身の知識や技術を高め、コーチングスキルを磨くことで、利用者のやる気を引き出せるかもしれません。今後も工夫しながら、訪問リハビリの仕事を好きでいられるよう努力していきたいと思います。
やはり「言葉にすること」は大切だなと本日の記事を書いて改めて気づきました。
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